2019.2.16 【雀五郎体力強化の会・その112@高津の富亭】

【雀五郎体力強化の会・その112】

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さて今日は高津の富亭で毎月開催されてる雀五郎さんの会、この会の客席は、レギュラーメンバーの比率がとても高くて、しかもみなさんほぼ同じような席につかれているので、毎回一定の空気が流れている。そして、先日のツギハギ荘のように、突飛な客に閉口することもなく、いいネタの並びを楽しみに開演を待った。

大智 / 化物使い
雀五郎 / 厄払い
小鯛 / 尻餅
雀五郎 / がまの油
雀五郎 / ねずみ

大智さんから。まくらで雀五郎さんとの話題を振ろうとするも話題が見つからない、というのが話題になってて面白かった。そして噺は 「化物使い」。冒頭の奥さんのしゃべりがポンポンといいテンポで進む。それにしても大智さんの落語は、不器用そうに見えて案外小技使ってそうだったり、何より楽しそうにやってるのがいいな。そして泣かされた一つ目小僧が目に浮かぶ。

雀五郎さん、一席目は 「厄払い」。それほど聴く機会の多くない噺だけど、雀五郎さんでは3回目だ。昔は年末になると町中を回って一年の訳を払う、厄払い屋という商売が普通にあったそうで、しかしそういう人は年末以外は何をしているのだろうかと思ったりする。それはともかく、この噺の雀五郎さんは、視線の送りがとてもいい。そして厄払いをさせてくれない相手に向かっての 「ケチー」 で受ける。そんな大層な話でもないけど、結構雀五郎さんを堪能できる。

続いて小鯛さん、「尻餅」 この噺好きなんだけど、今年の冬は聴いてなかったのに気づいた。冬の終わりに聴けてよかった。ここに出てくるのもいい夫婦で、なんやかや言いながら亭主の言うことをきいてやるやる女房というところだ。でも小鯛さんのは亭主が優しそうなのがいい。お尻叩くのも抑えてる感じだ。そして、リズムがとてもいい。擬声語ていうのか分からないけど、「ゲーフー、ゲーフー」 ていうところとか、小鯛さんのニンにぴったりに仕上がってる。で、この噺はきっとあの方からだと思ったのだけど、どうなんだろうか。

この会は5席中入りなしなので、引き続き雀五郎さん二席目は 「がまの油」。以前は誰がやっても大差のないネタていう気がしてあまり好きになれなかったのだけど、最近随分楽しいのを聴いて見方が変わってきた。雀五郎さんでも一度だけ聴いている。で、雀五郎さんのは前半の長い口上が流れるようで見事だ。そして後半の酔っ払いのベロンベロンの様がまた楽しい。下げ前に腕を切ってしまいあたふたするところ。がまの油を塗って塗って、ひと貝全部塗ってしまっても止まらず半泣きで下げへ。これも好きな下げだな。

雀五郎さん最後は 「ねずみ」。人情噺というか、勧善懲悪というか、同じ甚五郎物でも 「竹の水仙」 とはかなり印象が違う。それはやはり、前半で 「ねずみや」 親子の余りの不遇ぶりに気持ちが引いていしまうところがあるからか。そして、甚五郎登場で一気に形勢は逆転し、スカッとするとか言うとヒーロー物みたいだけど、あくまで甚五郎は冴えないおっさんの色が濃い。雀五郎さん、そんな話を淡々と語りすすめる。こういう噺が一番合っているのかなとも思う。そして下げへ。僕の好きな下げが続いた。

毎月3席の雀五郎さんの会、やはり古典の持ちネタが多い人の会はいろんな噺が聴けて楽しい。しかも毎月開催、て言うかネタが多いから毎月開催で、いつも3席とかが可能なんだな。今日の3席でも全く方向の違う噺だけど、どれも楽しい。そして、3月4月もいいネタが並んでる。 

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