2019.2.26 【とびっきり寄席@守口文化センター】

【とびっきり寄席】

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京阪・守口市駅前の守口文化センターで行われてる 「とびっきり寄席」、うちからはかなり行きにくいのだけど、雀五郎さん、佐ん吉さん、ちょうばさんがレギュラー固定のいい会だし、落語会以外のお楽しみもあるしできるだけ行きたいと思っている。だけどまだ今日で3回目だ。ネタが出てないので、2月とはいえ世間が一気に春めいてきたこの時期、何がかかるのかと楽しみにしながら開演を待った

佐ん吉・ちょうば / 前説トーク
團治郎 / 看板の一
雀五郎 / くやみ
佐ん吉 / 仔猫
ちょうば / かぜうどん

この会はいつも開演10分前に佐ん吉さんとちょうばさんが登場して前説的なトークが始まる。佐ん吉さんの体調不良の話には驚いたけれど、この幕前トークにはどうしていつも雀五郎さんは登場しないのだろうか。

團治郎さんから、「看板の一」 は初めて聴くけれど、おやっさんの貫録が気持ちがいい。勢いもあってきっちり客席を暖めた。

そして雀五郎さん、「くやみ」 は「何度も聴いている。雀五郎さんの落語は絶妙の間と細かい所作や表情の変化が肝だと思っているんだけど、この噺で言えば、のろけ男が登場して、ききしに勝るすごさでエスカレートして周りを圧倒していく。そして、いくらなんでもまずいと気づくも、ここまでやってもうたからと、なんと再開する。この流れのところで高座と客席の間の呼吸が細かく揺れる様が楽しい。そして僕はこののろけ男や、「近日息子」 の謝らない男の件のように、本筋に関係ないところに脱線して受け続けいつまでも戻ってこないてのがかなり好きだ。

続いて佐ん吉さん、今時の学生は丁稚が分からないと。そして、江戸時代に丁稚から番頭まで出世するのは大変な確率だったという話から 「仔猫」。佐ん吉さんで聴くのは初めて。お鍋の田舎言葉に優しさが出ていていいな。そして事情を知った番頭の怖がる様がリアルだ。最後すべて知られてることを察知したお鍋の諦観、そして長い独白。かなり感情移入してしまう。僕は、この噺聴いた余韻として、この後お鍋は結局どうなったのだろうと、いつも思ってしまうのだけど、今日はきっと引き続き店にいることができたのでは、と思わせる 「仔猫」 だった。

最後はちょうばさん、自分の住んでいるエリアにはまだ屋台のラーメン屋がやってくると。そういえば僕の家の近所ではすっかり見かけなくなったな。そんな話から 「かぜうどん」。ようやく冬が終わりそうで、随分春めいてきたこの時期に真冬噺。でも落語で季節感をあえてはずすのも僕は嫌いじゃない。ちょうばさんのは屋台を担ぐ様が目に留まってなんかほっこりした。現実感が出ていい。 そしてこの噺も 「おひやをめぐる攻防」 がしつこくて面白い。結局客側が押し切るけど、うどんやが突っぱねるような展開もみてみたいな。そして最後は寒さが身に染みるように終わった。多分この冬最後の、いい 「かぜうどん」 だった。

今日もいい会だった。なんて言うのか三人の全く違う個性が、きっちり感じられて楽しかった。2か月に一度なので、もう少しピッチを詰めて来れるようにしたい。てことで、終演後はいそいそととある立ち呑み屋へと向かったのであった。