2016.11.1 【福笑文治二人会@繁昌亭】

【福笑文治二人会】

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さて11月、今月も楽しい各種ライブがいろいろあるのだけど、今日は 「福笑文治二人会」、福笑さんが毎年江戸噺家さんを呼んでやってる二人会だ。今年は文治さんで、3年ほど前の文治襲名の時に何度か聴いてる。その時の印象としてはとにかく楽しい落語をする方で、どちらか言うと上方でもなじみそうに思った。でもその後聴く機会なくて今に至るので今日はとても楽しみだった。

たま / 借家怪談
福笑 / 便利屋さん
仲入り
文治 / 平林
福笑 / 桃太郎

たまさん、最近は東西交流が人もネタも相当大きくなってきており、上方の落語会で江戸ネタ並ぶことや、その逆も珍しくない。でも楽屋事情とか違う部分は違う部分であると。どんどん交流すればいいと思うけど、そんな中でも頑なにこっちに来ない人や東京に行かない人いる。嫌いならしょうがないけどね。
で、ネタは 「借家怪談」。たまさん、師匠の会の開口一番に出る時は確実に客席を爆笑に叩き込む。今日もまくらから受け倒した後は、きっちりした古典を勢い維持したまま演じて福笑さんにつなげた。
考えてみれば、今大阪の落語会でみれる最強の開口一番なんだから当然だな。

福笑さん、世事や歌をひとくさりぼやく。このあたりにいつもこの人のスタンスが見えて好きだな。
そこから噺は 「便利屋さん」 ,以前はよく聴いていたけど久しぶりだ。でも正直もうひとつピンとこなかった。こっちが集中力欠いてたのもあるのかな。

中トリは文治さんで 「源平盛衰記」、とても江戸らしいネタで、3年前にこの人で聴いたことあってとても楽しめた印象がある。地語りで進む中にギャグが放り込まれてリズムが生れるんだけど、今日のはもう少し源平のウエイト高くても良かったのではと思う。この噺も僕は立て弁的に聴こえないとなかなか乗れない。

中入り後文治さんもう一席は 「平林」、これはむちゃくちゃ面白かった。上方版とはかなり違うように聞こえる。展開自体はそんなに変わらないんだけど、文治さんの持っていきようがいい。与太郎なんだけど、上方で受け入れられにくいバカな与太郎じゃなくて、こっちの喜六をやたらと明るくしたぐらいのキャラがいい。
江戸の与太郎噺は正直笑えないんだけど、こういう楽しい与太郎は初めてだ。文治さんで他の与太郎噺も聴いてみたいな。文治さんがするとネタがやたら開放的になるのか。
そしてこのネタ、東京では 「ひらばやし」 と読むのか。

で、文治さん、上がってから下がるまで、何度も、福笑師匠がこの後相当面白い桃太郎をする、て言ってたけど、今日の客席の大半はそれは分かってるわけで、客席の期待値というより福笑さん自身ののハードルを上げただけだったのでは。

てことで、最後は福笑さんの 「桃太郎」、ちょっと調べてみると、福笑さんでこの噺初めて聴いたのが約5年前、で、今日で11回目になる。最初は聴く度に構成が変わっていって、とうとう鬼ヶ島に行くようになって、今はもう下げ以外は原型を留めなくなっている。よくぞここまでという改作で、大スペクタクル、とんでもなくスケールの大きな噺になっている。さすがに最近はこれ以上あまり変化がないけれど、まだ分からない。福笑さんは、これでいいということのない人だと思っている。ただ、声が少し不調に感じた。この間のテーマ落語会では絶好調で安心していただけにちょっと気がかりだ。

今日意外だったのは動員、繁昌亭の福笑さんの会は満員基本だけに、1Fが7~8割ぐらいてのはどうしたことだろう。1日で忙しい人多かったのか。でもやっぱり福笑さんの東京の人との二人会は見逃せないな。
次は12月、雀三郎さんとの二人会、そして新年は西宮で、たまさんとの一門会と、爆笑の会は続く。