2017.1.27 【月刊笑福亭たま・1月号~染丸トリビュート@繁昌亭】

【月刊笑福亭たま・1月号~染丸トリビュート】

イメージ 1

先月の12月で月刊たま・第3章が終わり、また新しい章に入っている、と思うのだけど、今月のチラシには 「染丸トリビュート」 という記載しかなくて、来月以降どんな方向性になるのかははっきりしない。ともあれ今日はゲストの花丸さんを始め、染丸さんからつけてもらったネタが並ぶ。そんな中で、染丸トリビュートをどんな風に浮かび上がらせていくのかが楽しみだった。

愛染 / ふぐ鍋
八斗 / 七度狐
たま / 辻占茶屋
たま / 質屋芝居
仲入り
たま / 新作ショート落語~新作ネタおろし・消防士

八斗さん、一門ではないけれど染丸さんに可愛がられていて、かつては運転手を務めたりしていたこともあったらしい。てことで、今日は染丸さん直伝の 「七度狐」、ただし、かなり以前の話であまり自信なさげなことをまくらで言っていたけど、やはり前半何か所かあやしかった。でも後半持ち直す。

さて、たまさん、なぜかプログラムでも触れていた上方噺家の男前度についてしゃべる。そして自己分析も。他にも男前候補にの人出てきて面白かった。そこから、すでに発表された協会60周年記念、4月の繁昌亭昼席の件について。5万円で30日間通える 「寿限無パス」 が割引率が33%と異常に高く、そのため20人限定になった、と。まあ、確かにそうなんだけど、実際30日も昼席通う人普通はいない。何人かで行くと言っても絶対行きたい日がかぶるだろうし。何か、夏の高津の抽選券と同じで 「たまさん理論」 全開で楽しい。たまファンとしては、寿限無パスは買わないにしても、4月の昼席は何回か通わないといけないだろう。

そこから 「辻占茶屋」、この噺はDVDで覚えてから染丸さんにみてもらった、と。内容はなんてことないんだけど、下座との掛け合いが何とも楽しい噺。たまさん、こういうのもうまくなったな。で、石を投げ込んだ後の梅乃の独白がいい。そして道でばったり会って 「もう遊びにこんといて」、女は強い。

二席目は 「質屋芝居」、この噺を染丸さんに最初につけてもらったと。照れずに自分を日本一の男前やと思ってやれ、と、言われたと。この噺がまくらの噺家男前図鑑につながる。やっぱり芝居噺はふりで大きく見せた方が伝わりやすい。そして、たまさんのは切れ味も随分ある。結構ほれぼれと観ていた女性がいたように思えた。そんなに芝居噺頻繁にしないけど、やればなかなか、やっぱり顔も身体も大切だ。

仲入り後は花丸さん、たまさんのことを 「協会の裏会長」 と呼び、今の辻占は染丸からのはほとんどタイトルぐらいしか残っていないと。花丸さんはたまさんを結構ストレートにいらってくる。
で、ネタは比較的最近師匠から習ったという 「悋気の独楽」、そう言えば花丸さんでは、2年前に初めて聴いてから3回目だ。しかし、定吉、御寮さん、お竹、旦那、お茶屋の女将、と登場人物の描きわけが見事だ。特にいいと思ったのはお竹の怒った顔、ビジュアル的に面白い。そして御寮さんの嫉妬が独楽の場面でピークになっていくのがとても上手だ。これからよく聴くことになると思うけど、それぞれがどう変わるのかが楽しみだ。

最後はたまさん、今日はショート落語は少ないです、と。4本だけだったかな。「右翼団体のスピーチ」と「二世タレント」 だったかが面白かった。
新作は 「消防士」、主人公の名前は、油田注~あぶらだそそぐ、ありえない名前だ。そしてぼやっとしてる、会話でぼけてるのに突っ込まない、ぼけてないのに話を読む。とてもタイミングの悪い男。ここでなぜか大喜利が始まって爆笑。よく出来てると思う。掛け合いのリズムが当り前だけど前半の古典と違ってビュンビュン早くて、これがたまさん本来のテンポなんだなと。面白かった。また聴きたい。

てことで 「染丸トリビュート」、もちろん演者はたまさんなので、たまさんを通した染丸さん、てことで言えばもう一つはっきり出ていなかったと思うけど、それはこれでいいのかな。来月以降はどんな副題がつくのか、つかないのか。それもまた楽しみだ。