2019.2.1 【図書室の落語会~すぴんおふ ちまる@天満橋・Spin off】

 【図書室の落語会~すぴんおふ ちまる】

イメージ 1

今日は天満橋で、智丸さんの落語会読書会だ。3回目でようやく来ることができた。場所は駅近だけど少しややこしい雑居ビルの中。でも5Fまで上がって部屋に入ってみると、それほど広くないところに約3000冊ぐらいか、ぎっしりと本がつまっている。しかも僕好みのがいろいろあって目移りする。今日智丸さんに聞けなかったのだけど、そもそもここはどういうスペースなんだろうか。そして高座には自作という五枚笹のかわいい見台。なんとも居心地のよさそうな空間で開演を待った。

智丸 / 寿限有
白鹿 / 転失気
智丸 / カフェ役者 (桂米輝・作)
仲入り
読書会~課題本 「コンビニ人間 / 村田沙耶香

智丸さん、上がって読書会のこと、村田沙耶香のこといろいろ。文芸青年がたまたま落語してる、ていう感じがしてなんともいいな。そして大学時代にコンビニでバイトしてたと。客のたばこの銘柄まで覚えるらしい。
そこから噺は 「寿限有」 でいいのかな。「寿限無」 じゃなくて 「寿限有」。長い名前のせいで家族が次々不幸になって、寿に限りが有るんだと。そして最後は主人公が自分の名前を探す旅に出るという壮大な噺。智丸さんらしい発想がとても楽しい。

続いて白鹿さん、今日で聴くの5回目。文福一門の、そして師匠文鹿さんの話。どちらにしても確かに文鹿さんは異色の存在だ。日本刀買った現場にいらしたことで僕は一人受けてた。それがあのネタつながったんだから。それにしても相変わらず声がいい。何か噺家の声という感じがしない。太くて低くてよく通る。
で、噺は「転失気」。とんとんと軽快に進んで、まさかの正岡子規で爆笑だった。

智丸さん、二席目は米輝さん作の 「カフェ役者」。去年の二人の新作ネタ交換の会に行けなかったので、これは聴けるのがうれしい。でも二人がそれぞれの大学の落研時代から知り合いだった話は面白かったな。一度二人のトークも聴きたいものだ。で、「カフェ役者」。米輝さんで二回聴いてる。米輝さんのはエキセントリック満載で、初めて聴いた時はそのインパクトがとても強くて、噺の筋が入ってきにくかった。二度目はさすがに噺の内容も楽しめたのだけど、今日の智丸さんのは穏やかでなんともいい雰囲気の中で訳の分からない会話が続く。同じ噺でも全く違う。「やめてくれー、やめてくれー」 がぐるぐるしてる。下げも好きだな。米輝さんとの新作ネタ交換またやってほしいな。

そして休憩はさんで、いよいよ読書会だ。僕は読書会に参加するの初めてだけど、友達によく参加してる人がいるので、なんとなく雰囲気みたいなのは分かっているつもりだった。参加人数は22~23人ぐらいか。智丸さんと白鹿さんが前方に座り、後の人はコの字型に椅子を並び替えた。そして簡単な自己紹介から。中に実際コンビニを経営されてるご夫婦が参加されてて、どっとわく。「コンビニ人間 / 村田沙耶香」 の僕の感想は、主人公のことを、周りの人たちは普通じゃないとして彼らが思う普通にあてはめようとするのだけど、そもそも普通と普通でないとは相対的なもので、もっと人に対して寛容な世間であってほしいなというものだった。もちろん小説としては十分面白い。皆さんの感想もそれに近い人が多くて、なかなかまともな人が集まってるなと感じた。そしてコンビニ経営のご夫婦の話もとても興味深かった。智丸さんと白鹿さんの進行もよかった。これからもぜひ続けてほしいし、極力参加したい。

てことで今日も「楽しい会だった。そんで、読書会の時にふと思ったんだけど、同じような形式で落語のネタを語り合う会があれば面白いんじゃないかなと。それも 「らくだ」 とか 「百年目」 とかのいかにもなネタじゃなくて、「近日息子」の真実は、とか、「いらちの愛宕詣り」 のおっさんのおとぼけを語る、とか、マイ・ベスト・オブ・喜六、とか。そんなテーマで、演者の方と落語ファンとが語り合うような場があれば楽しいのに。でもそんな発想のきっかけになったこの智丸さんの会はとても素晴らしかったと思う。

イメージ 2

イメージ 3