2018.3.11 【岡町落語ランド@豊中市立伝統芸能館】

 【岡町落語ランド】

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開演時に吉の丞さん私服で登場し前説。この会の長い歴史や、吉弥さんの新しいお弟子さん弥壱さんのことを話して、米紫さん呼び込む。弥壱さんが発端なのでまくら振れないからと、二人でいろいろ楽しく語って開演だ。

弥壱 / 東の旅・発端~煮売屋
米紫 / 宗論
仲入り
吉の丞 / 一人酒盛
鶴笑 / 義経千本桜

弥壱さんから。今日で6回目の高座らしい。「発端」 は前半たたきのリズムが弱い気がしたけれど、後半乗ってきた。口跡も聴きやすくて悪くない。いい感じで煮売屋まで。

続いて米紫さん、今日は夜に繁昌亭で由瓶さんとの会があるということで、そのPRから。そして米紫さんも初めて聴いたという弥壱さんのことを、よかったとほめて自分の修行中のこといろいろ。
そこからネタ出しの 「宗論」、これはもう鉄板中の鉄板でいつも大爆笑だけど、冒頭の旦那の番頭への物言いが迫力で、そのまま息子・作次郎に続く。対して作次郎のとぼけっぷりが楽しい。そしてツンパデルコンクイも笑いが起きるように計算されてる。それにしても今日も大受けだ。米紫さんのこの噺は所作への笑いがかなりのウエイトを占めてると思うけれど、その所作が緩急というか、ためるところと、走るところが絶妙に混ざっていてもうおかしくて仕方がなかった。

仲入り後は、今日のプロデューサーの吉の丞さん。先日ニューヨークに行った時の話諸々、そして弥壱さんのことから米朝宅での住み込み修行時代の事で爆笑。そこから噺は 「一人酒盛り」、この噺やっぱり枝雀さんの印象が強いのだけど、意外に聴く機会少ない。引越し作業が終わりかけの中で、手伝いにきた知り合いに酒を勧めながら、他の事を手伝わせて結局一杯も飲ませずその知り合いは結局怒って帰ってしまう。噺には引越し男のセリフしか出てこなくて、一人しゃべりで相手の男の様子の変化から最後の怒りまで表現するのが難しいのだろう。でも吉の丞さんのは、引越し男の何も考えていないような終始軽いしゃべりが、目の前の相手の変化を浮き彫りにしていてよかった。好きな噺だからもっと聴きたいな。

最後は鶴笑さん、秋に開催が決まった六代目生誕100年の会のことあれこれ。確かに笑福亭だけ一門会はないな。楽しみな話だ。そしてこれまで35ヵ国で落語をした時の反応が面白かった。そこから、ネタは 「義経千本桜」。聴くのは二回目だけど、ご存知静御前と忠信のからみから忠信が狐になって、というくだりだ。鶴笑さん二体の人形を袴の下に装着していきなり静御前が登場するところで大きくわく。続いて左足から忠信登場してからみが始まる。忠信狐になって大きくなったり、宙乗りで客席をグルングルン。最前列センターの男性に忠信狐を預けて鶴笑さんと戦う。大スペクタクルで客席大興奮だった。この人のパペット落語はとにかく楽しい。かつて米朝さんが鶴笑さんに 「おまはんのやってることは落語の原点や」 と言われたそうだけど、正にそう思う。それに人形それぞれの顔がなんともキュートでいいんだな。

てことで、3/18(日) Eテレで14時から 「日本の話芸」 に鶴笑さんが 「あたま山」 で登場します。全国放送なので落語ファンのみなさん、必見ですよ。

しん吉・佐ん吉・吉の丞の三人が交替でプロデュースするようになってから、この会はとても面白いし客席も満員になるようになった。三人がそれぞれ自分以外の二人のことも気にしながら、競ってる感じがいい。今日も吉の丞プロデューサーは前節からすごく気合が入っていたし、この顔ぶれ並べて面白くならないはずがない。
次回は佐ん吉プロデュースで 5/13、雀太さんとあさ吉さんが出番。これも楽しみだ。