2017.10.27 【岡町落語ランド・特別編@瑞輪寺】

【岡町落語ランド・特別編】

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数日前に、岡町商店街で開催中の 「おかまち まちの文化祭」 というイベントの中で、岡町落語ランドの特別編としての落語会が開かれることを知った。しかも場所がいつもの伝統芸能館ではなくてあの瑞輪寺。ここは40数年前に岡町落語ランドのルーツになる落語会が開催されていた場所だ。幸い今日は特に予定がなかったので、やって来た。するとなんと写真のようなとんでもなくすごい高座が設えられていて、出番はしん吉さんと佐ん吉さん、さて一体どんな会になるのか。すぐに開演だ。

しん吉・佐ん吉 / あいさつ
佐ん吉 / 堪忍袋
しん吉 / ふぐ鍋

まずお二人で登場、このイベントの説明から地元の人への落語会のアピールなど。兄弟子のしん吉さんが今日はのどの調子が悪いのでほぼ佐ん吉に任せるとか言って二人の掛け合いで笑いをとる。

そして出番は佐ん吉さんから。岡町落語ランドの長い歴史や師匠の話、そして先週中之島公園のバラ園での結婚式の司会をした話で受けて、自分の奥さんの事からネタは 「堪忍袋」。まくらからスムースにネタにつながる。この噺は佐ん吉さんで何度も聴いているんだけど、今日は特によかった。冒頭でいきなり夫婦喧嘩の大声から入って客席をつかむ。そこから仲裁に入った甚兵衛はんに怒りをぶつける嫁が怖い。とてつもなく怖い。合間に佐ん吉さん、自分が奥さんに言われたことなんかを入れて受け続ける。梅干しの件で 「阪急梅田行を見ただけでつばが出る」 でまた爆笑。最後の下げ前で、甚兵衛はんに仲直りの振りをして一転表情の変わるところがまたいい。

続いてしん吉さん、四人兄弟の長男だったしん吉さん、実家でよく鍋をした話。そして米朝宅で修行中の鍋との違いで受ける。吉朝一門のみなさんは大師匠米朝宅で住み込み修行をしているのだけど、その時の話は誰で聴いても面白い。米朝さんのお人柄がよく出ている。しん吉さん、そこから一門鉄板の 「ふぐ鍋」、声の調子が悪いとか言いながら全くそんな事を感じさせない。最初は二人ともふぐを食べることをしつこく嫌がっているのに、一旦食べて 「旨い!」 となった後の喰いっぷりがとてもいい。本当においしそうでてっちりを食べたくなる。そして、この噺あまり女性は出てこないのだけど、話を通す女衆の仕草も達者だ。噺と鍋を両方堪能した気持ちになった。

以上二席で70分ほど。でも木戸が500円だから十分だった。ところで40数年前、僕は実はこの商店街を通って市役所の裏にある高校に通っていた。その頃商店街の掲示板に瑞輪寺の落語会の告知が貼ってあったこと覚えている。その頃から落語が好きで、行きたい気持ちは大いにあったのだけど、いろいろあって行かなかった。後にそれを後悔することになるのだけど、今日は長い時間を超えてようやくこの場所にたどり着いた気持ちだった。
いい企画の落語会だった。