2017.9.25 【乙夜寄席・第24夜@繁昌亭】

 【乙夜寄席・第24夜】

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さて今日は、乙夜寄席・第24夜。8月高津で雀五郎さんから当たったペアチケットでやってきた。もちろん今日のトリは雀五郎さんだ。乙夜寄席にくるのは今日で6回目、染吉さんも二葉さんも楽しみで何が聴けるのかと結構わくわくしながら開演を待った。

二葉 / 道具屋
染吉 / 禍は下
雀五郎 / 素人浄瑠璃

二葉さん 「道具屋」 聴くのは久しぶりだ。むしろ入門当初によく聴いた気がするけれど、この噺はもうすこしトントンと運ぶリズムが欲しいかな。何かキャラが勝ちすぎているように感じた。

続いて染吉さん、「禍は下」 は東の 権助魚」、演題としてはこちらの方が分かりやすいか。「禍は下」 だと演題イコール下げになってしまうし。でも染吉さんのは、前半の定吉と手掛のおたかとの会話がとても柔らかく感じられていい。そして後半はその定吉と御寮人さんの会話がとんとんとリズミカルに進んでいくのが楽しい。怒って定吉を問い詰める御寮人さん、追い詰められながらもなんとかごまかそうとする定吉がどんどん不利になっていって、御寮人さんが袴をくちゃくちゃにして定吉の負け。ここが僕は好きだな。 全体的には染吉さんの自在な表現力が際立った高座だったと思う。

そしてトリは雀五郎さん、何を掛けるのかと思っていたら、冒頭から浄瑠璃で飛ばす。「寝床」 だ。「素人浄瑠璃」 かな。そして、三味線の師匠に少し下げてもらうよう頼んだ後に、うなりながら 「まあまあやけどな」、ここで最初の爆笑。そこから町内の人や店の人間が誰も来ないことの言い訳を立て弁のように次々繰り出す久七、このマシンガントークで聴き手のテンションも上がる。そこから怒りモード全開になった旦那に対して 「ほうら来た」 とか 「とっとっとっとっ」 とかおちょくるみんな。でもエスカレートした旦那が 「家を出て行け」 だの 「国へ帰れ」 だの言いだしてみんなは逆に機嫌をとりだす。段々機嫌が直ってきた旦那に、とどめの一言 「芸惜しみしてもろては困ります」ここで旦那は陥落、やっぱり語ることになる。この一連の流れをたたみかけるような間で乗り切り、同時に困惑からほっとして笑顔までの表情を見せる。ここは雀五郎さんの落語の真髄だと思う。そして下げはやはり枝雀一門だから 「素人浄瑠璃」。本当にいい噺を聴かせてもらえた。

てことで、乙夜寄席も今回でちょうど一年、来月からは金曜開催で一年間ようやく固定になる。始まった頃は行く気満々だったけれど、三カ月ごとに曜日をころころ変えたりの迷走ぶりに最近はあまり行く気がなくなっていたのだけれど、これからは落語ファンの一人として乙夜寄席を盛り上げていきたいと思う。

だけど、ペアチケット景品の演者三人のサイン、どうして一枚だけなのか。せっかっくのペアチケットなのに、こんなところでけちってどうする。