2017.9.21 【ねこまんま定食@ツギハギ荘】

 【ねこまんま定食】

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今月は1日から9日まで落語会に行かなかった。そして、10日から16日まで毎年恒例の 「大阪クラシック」 で、いつもはその間落語会にはほとんど行かなくなるのだけれど、今年はこの期間にいい会が目白押し、クラシックと二本立てでとても楽しい一週間だった。だけどそうなると到底ブログを書いてる余裕がなくて、その間の7回の落語会はブログを書かないことにした。そして 「大阪クラシック」 が終わってから2回落語会に行ったのだけど、さぼり癖がついてしまって再開できなかった。だけど逆に書きたくなってることも事実で、このツギハギ荘の会から再開することにした。

てことでこのツギハギ荘、繁昌亭とは天満宮をはさんでちょうど逆方向になる場所のイベントスペースで、1~2年ぐらい前から落語会をするようになっている。で、なかなか面白そうな会をやっているのだけれど、いろんな都合でこれまで来れなかった。初めて来た印象はとても暖かいフレンドリーな空気で居心地がいい。キャパは50人弱か。ちょうど森ノ宮の百年長屋の雰囲気とよく似ている。そんな中で今日は 「ねこまんま定食」、ねこまんま南天さん、雀喜さんの漫才コンビの名前で、大阪では結構長い期間活動されている。落語一席ずつと漫才、みなさんが穏やかに待っている中いよいよ開演した。

雀喜 / 終活のすすめ
南天 / たいこ医者
仲入り
ねこまんま / 漫才

まず雀喜さんから、8月はいろいろと旅行に行っていたそうで、楽しそうなまくらが続く。中でも雀三郎一門幻の一番弟子又三郎さんとの九州旅行、ネギ多めラーメンの話で爆笑。そこからネタは 「終活のすすめ」、この噺聴くの二度目だけど、確か葬儀屋から依頼の落語会のためにつくった噺だった気がする。内容はエンディングノートの創り方みたいなのだけど、雀喜さんの新作は大爆笑が続くというものでなくても、何かほのぼのとした可笑しみが全編に散りばめられているようなのが多くて、この噺も穏やかな笑いが続く雀喜さんらしい新作だ。米朝一門の中では貴重な新作派、これからもいろいろつくっていただきたい。

そして南天さん、雀喜さんが若い頃住んでた京橋のアパートの話で大いに受ける。そして新世界の王将から時事ネタはさんで 「たいこ医者」、「死神」 なんだけど医者になる男の前職がたいこ持ちで、師匠をしくじり破門になった時に死神が現れるという設定だ。このたいこ持ちがしくじる件で、パァーパァーと明るくいらん事言いたおすところが面白い。ちょっと変わったキャラがよく出ている。そして医者になってそのキャラが少しえらそうになり、最後は死にたくないと死神に懇願する。このころころと変わるところがいい。ところで、僕は 「たいこ医者」 としては初めて聴いたのだけど、どうもこの噺上方では元々こちらの方が主流だったようだ。しかし最近では江戸ネタとしての 「死神」 の方が主流になってきているけどね。そして南天さんのは下げがぞくぞくする。そして呪文の言葉も違う。南天版 「死神」、僕はとても好きだな。

仲入り後はいよいよねこまんまだ。赤のブレザーに白いパンツというトラディショナルな漫才スタイルでの登場に歓声があがる。南天さん、いきなりのの漫才口調でよく受ける。聴くのは5回目ぐらいだと思うけれど、今回雀喜さんが書いたネタは先日行われた 「彦八まつり」 について。南天さんが非協会員なので、実際彦八まつりにほとんど行ったことがないというところを使って、雀喜さんがポン菓子屋のこととか彦八のいろいろを話して南天さんがそれを受けてボケる。この繰り返しなんだけど、南天さんのボケっぷりが見事で、会話の間合いもポンポン運んで受けまくる。まあ、二人の落語のファンが聴いているんだから受けるのは当然かもしれないけれど、このコンビ聴く度に上手くなってるし、受け方も違ってきている。もう噺家の余芸というレベルではないと感じた。

そんなこんなで、初めてのツギハギ荘はすっかり気に入った。この会はツギハギ荘の方からお二人への依頼ということで、この日の予約が即いっぱいになって追加公演も実施された。ねこまんまの漫才が定期的に聴ける会になればとてもいい感じだ。二回目の 「ねこまんま定食」に期待しよう。
そしてツギハギ荘は最近おなじみの立ち飲み 「くにし」 にとても近い。終演後はみんなで行って、落語話に花が咲いたのでした。