2017.8.26 【高津おもいっきり落語研究会・8日目@高津神社・末広の間】

【高津おもいっきり落語研究会・8日目】

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さて、昼の西淀川が終わった後、わざわざ梅田に戻って、夜の高津に行く三人で立ち飲み屋で飲んでたら、つい話に夢中になって時間がなくなりあわてて谷九に向かう。ギリギリで滑り込んで受付のひろばさんにハンコ押してもらって階段上がっていたら、二番太鼓から 「長崎さわぎ」 に変わった。今日はたまさんがトップだ。

たま / 浮世床
雀五郎 / 短命
南天 / 幽霊の辻
ひろば / 高津の富
大喜利 / (司会) たま 雀五郎、南天、ひろば
      (なぞかけ) 停電、替玉受験
      (お遊び) 〇〇じゃない△△だ

出囃子の最中に入って最後列に座った。いつもは三列目ぐらいなので、全然風景が違う。でもこれはこれでまた新鮮だ。たまさん、ケータイの妨害電波設備について「コストがかさむので民間ではなかなか導入しにくい」 という話、クラシックでは妨害電波なくても鳴らないと。フェスティバルホールは圏外になるけど、確かにクラシックのコンサートでケータイ鳴った記憶がない。やっぱりみなさんきっちりしているのか。
そこから噺は 「浮世床」、だらだらしてる感が好きな噺だ。扇子をマドラーに見立てて鼻の穴に突っ込む。鼻毛抜いてくしゃみ、字を読めない男が無理して読む様、全部おかしい。だけどたまさんにはもっとだらけてほしいなと少し思った。

続いて雀五郎さん、上がって今日の西淀川の弁当がすごかった話、何か肉料理オールキャストみたいな弁当だった。で、どうしてこんなに豪華になったのかを考えると、どうも何日か前の高津のまくらでひろばさんが言った、ある出番での弁当の話のためらしいと。なるほど、よそで言われてはかなわないな。
そして、それとは何の関係もなく、噺は 「短命」、雀五郎さんのは、甚兵衛はんとこに飛び込んできた男の鈍さ加減が見どころ、まだ分からんか、というくらいのもので、その困惑の表情がいい。そして分かった時の笑顔。そしていつもの引っ張る間。雀五郎さんの落語を楽しむ必須アイテムだな。

次は南天さん、「今日昼夜で衣装かえたの私だけです」 と強調。僕はそれほど噺家さんの衣装を気にしていないのだけど、やはり衣装について女性の落語ファンは全然違う。そしてネタは 「幽霊の辻」 小佐田さん作で好きな噺だけど、南天さんでは久しぶりだ。 大阪から手紙を堀越村に今日中に届けなければいけない男が茶店によると婆が出てきて、散々怖がらせる。水子池、こんもり森、父追い橋、首くくりの松、と次々話をきかされビビりまくる男、しかしそれぞれのネーミングが傑作だけど、南天さん小声で、怖いような面白いような微妙なトーンで終始しゃべる。そして女が出てきて幽霊かと思ったら違った、とほっとしたところに、下げのセリフ、これは怖い。
南天さんの演技力が光る。

最後はひろばさん、西淀川の弁当は大満足だったらしい。そりゃそうだろう。これでほめなかったら何を言われるか。そこから噺は 「高津の富」 ご存知ここ高津神社が舞台の噺で、ひろばさんでは初めてだ。高津落語研究会は今年で5年目、8月の集中開催は4年目だと思うのだけど、短い期間に詰めて噺を聴くと、その噺家さんについて新たな気づきがある。ひろばさんは最近とても大物感の似合う人だなと思っている。この噺の鳥取の豪商の主人なんかはその代表的な人物か。もちろんうそなんだけど。
そして、僕がこの噺のハイライトと思っている、二番富の男の妄想シーンがまた長い。この本筋から離れているけど面白い場面は、長くて受け続けるほど、本筋に戻った時の改まった感が強くなって、落語をさあ聴き直そうという気になる。そして下げ、亭主が客の寝間に下駄履いて上がった事をなじった男も実は…。好きな下げだ。
ひろばさんこの噺相当よかったと思う。

大喜利はなぞかけは夜もあっさりクリア、お遊びは面白かったのだけど、何と言うか説明しにくい。回答者の皆さんも、最初は戸惑っていたけど、すぐにいいのが出だした。ひろばさん、ここでもおいしかった。

ということで昼夜高津が終わって、後三日。僕は明日は来れないので、実質後二日少し寂しいけど楽しみだ。そして今年も目標達成できるのかどうかも気になるところだ。