2017.8.18 【新世界南天の会@動楽亭】

【新世界南天の会】

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最近動楽亭での開催が減っていた南天さんの会、数か月ぶりの開催だ。だけどいつも通り70~80人ぐらいか。結構な熱気の中開演した。久しぶりの 「らくだ」 がとても楽しみだった。

小鯛 / 口合小町
南天 /  うなぎ屋
枝女太 / 悋気の独楽
南天 / らくだ

小鯛さん、「口合小町」は僕は九雀さんで一度聴いただけなんだけど、その時なんて楽しい噺なんだろう。でもなかなか大変そうなネタだなという印象だった。口合とは地口ダジャレのことなんだけど、もう次から次と連発が続く。あほらしいと思う間もなく引き込まれる。「口合は無理があるほど面白い」、なるほどだ。小鯛さん、口跡、間、表情のすべてが落語的で楽しい。このネタとても小鯛さんに合ってるのではと思った。また聴きたいな。

南天さん、今日のまくらはもちろん初めて聴いた豊中インターのトイレの話、ちょっと内容書けないけど大爆笑。僕もそのあたりの住人なので覚えておこう。そしてその流れで更に続くトイレ話、こちらは南天さん自身の話でウォシュレットの水が止まらなくなった時の対処についてで、これもまた大受けする。最近南天さん新作まくらがとても面白い。そこからネタは 「うなぎ屋」、ネタ出しは 「らくだ」 だけだったので何がかかるかと思っていたけど、このネタ自体最近以前ほど聴かなくなっているように感じるけど、南天さんでは何度も聴いてる。うなぎ屋の親父とのかみ合わない会話と、逃げる鰻を追っかける所作が見どころ聴きどころだけど、どちらも南天さんらしくてまずは満足。

続いてゲストは枝女太さん、今年で40周年らしい。先代文枝一門のベテランだけど、聴く機会がとても少ない。上方のこのくらいのキャリアの人は自分の会とかあまりしない人多い印象だけど、数少ない聴いた機会では達者な人と思っていた。そんな枝女太さん、今は実質噺家野球部もっちゃりーずの監督だそうで、元エースの南天さんの今後の部内での処遇についていろいろいじって受ける。本当にエース復活するんだろうか。
そこから噺は 「悋気の独楽」、ネタだし見た時から枝女太さんに合いそうだと思っていたけど、やはり上手かった。御寮さんの貫録が達者で、お竹のキャラがとても面白い。長ゼリフのリズムが抜群によくて聴いてて気持ちよかった。この人ももっと聴きたい人だな。

そして南天さん、二席目は 「らくだ」、ネタおろしで聴いたのは4~5年前、当時 「軽いらくだです」 て南天さんが言ってた記憶がある。確かに笑福亭に代表されるのとはかなり趣きが違っていた。それから僕が聴くのは今日で4回目だ。かなり変わってきていて、とても軽いとは言えない。熊は最初はえらい迫力、ビビる屑屋。一通り獲物を獲得して飲み出す。一杯目屑屋脅されて飲む。二杯目で少し関係性が変わる。対等な感じで屑屋身の上語りだす。熊にタメ口。そして三杯目、立場は入れ替わりだす。酒で店つぶしたと。ここで 「おさよー」 も登場。
この立場逆転が 「らくだ」 一番の見せ場なんだけど、南天さんは一杯一杯酒が進むたびにくっきりと変化させる。これがとても分かりやすい。三杯目の屑屋の長い語りで最後に 「よーし、とことんいこ。今日はいなん、めでたい」となって無敵の屑屋出現。そして、らくだの頭丸める時の強引さ。半身終わってひっくり返す仕草で受ける。
最後焼き場に向かう場面での歌もいい。そして下げ。この下げが素直に聴けるのはやはり南天さんの 「らくだ」 ならではだ。

今日もいい会だった。「らくだ」 は限られた場所でしかできないと思うので、ネタが出てる時は極力来たい。この先もおそらく変わっていくんだろう。しかし南天さんの落語は最近楽しみなネタがどんどん増えてきている。ずっと聴いてるとその人が力をつけてくる様がくっきりと分かって、そういうのも落語を聴く大きな楽しみだ。伊達にたくさん聴いているわけじゃないてことだろうな。