2017.8.5 【高津おもいっきり落語研究会・初日@高津神社・末広の間】

【高津おもいっきり落語研究会・初日】

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さて今年も8月の 「高津おもいっきり落語研究会」 が始まった。今年は楽日の31日まで11日間、西淀川を入れると12公演になる。10回ぐらい行く予定だけどさてどうなるか。確か高津落語研究会が今年で5年目で、8月の集中開催は2年目からだったと思うので4回目になるはずだ。真夏の大阪の落語ファンの間ではすっかり定着した風物詩だけれど、一切ネタ出しがないので何が掛かるのかがとても楽しみ。4人それぞれ同じネタをかけてはいけないというルールなので、今年ならそれぞれ12の演目を用意しないといけない。みなさんネタが多いので別に苦労はないだろうけどね。そして、今日の出番順は昼間名古屋だった南天さんがトリになっていたけど、トップは誰だろうと思っていたら、出囃子が 「おててつないで」、ひろばさんからスタートだ。

ひろば / 子ほめ
たま / 船徳
雀五郎 / 八五郎坊主
南天 / どうらんの幸助
大喜利   (司会) ひろば  たま・雀五郎・南天
        (なぞかけ)  幽霊・世界遺産
        (お遊び) やりくり川柳
抽選会

ひろばさん、毎年恒例の今年の動員目標を発表。単独公演135人か、平均60人達成すれば河豚を食べにいくとのこと。この目標毎年結構きつそうだけどいつも達成しているよな。今年は135人はどうかだけど、平均60人なら軽く達成しそうだけどな。ちなみに今日が74人で、最近のこの会、コンスタントに70人以上入ってると思うのだけど、客席からみて目標がハードル低くみえたら今一つ盛り上がりに欠けるのでは。
てことでひろばさん、ざこばさんの病院の話で受けた後、ネタは 「子ほめ」、もう安定のしゃべり、きちんきちんと笑いどころで受けていく見本のような高座。今年の高津も期待できそうだ。

続いてあがったたまさん、なんか 「たま通信」 的なまくら。腹の立つことに遭遇した時、夜にそれを文章にしたら怒りが薄れて穏やかになれる、と。で、相手はゴリラか通行人かと思っておけばいい。てことで毎日パソコンで入力したら、とんでもない量になって一向に穏やかになれない。面白いけど、よく分からないところが残ってるのがたまさんらしくていい。ぜひ 「たま通信」 で整理してほしい。
そこから噺は 「船徳」、もちろん江戸噺なんだけど、たまさんがちょくちょくするので、どうしてもそのイメージが強くなる。そしてたまさんのは爽やかさのかけらもない 「船徳」 だ。でもとても面白い。いろいろ悪さを白状するたっつぁんの間がいい。そして、若旦那がさおを流してしまうところがうまい。船がぐるぐる回るところも楽しい
それにしても、この若旦那はたよんない。本当にあかんたれだ。かつ粋でもない。将来が心配になるようなタイプ。それを周りのみんなが支えてる。そんな落語的な噺。江戸版もたまさんのも好きだな。

次は雀五郎さん、10月からのこの会のリニューアル、前座入れて、開演15分早めて、500円上げるというプランはすべてたま兄さんの仕業だと。あまり評判よくないけれど、やはり予想通りそういうことだったのか。
そしてネタは 「八五郎坊主」、 それほどかかる噺じゃないけど最近よく聴く。雀五郎さんのは、ごはんを盗み食いする時視線を流す間と表情がとてもいい。何度もするのが面白い。そして高座での横移動をうちの伝統芸と。頭丸められる時のやり取り、名前決まるまでの応酬と、聴きどころ満載。歌にかけた下げも好きだな。

最後は南天さん、今日はトリなので少し長い噺をと断ってから、元々無趣味だったのが最近はいろいろ増えてきたと。このまくらだと先日も聴いた 「茶の湯」 かと思ったら 「どうらんの幸助」だった。この噺少し前の岡町で、南天さんでは久々に聴いたのだけど、やはり南天落語の定番だ。幸助が仲裁に入った時の 「待った、待った、待った」久しぶりの人間の喧嘩だとうれしそうなこと。「お前ら仲よお話すな」 としかりながらいつもの店の2階の座敷へ。なんやかやで三人とも満足してめでたし。で、いつも思うのだけど、この噺ここで終わっても面白くて短い噺として十分落語の演目として通用するのでは。ところが誰がつなげたのか浄瑠璃噺になっていき稽古屋から京都に向かうという怒涛の展開となる。結果かなりの大ネタとして定着した。後半は幸助の勘違いぶりにスポットがあてられる。実際にはありえないという内容を、南天さん顔や全身使っての大スペクタクルに。こうなるともう前半を忘れるくらいの面白さになる。そして、スコンとひっくり返すいい下げだ。

そして大喜利、なぞかけはちゃっちゃとクリアした南天さん、たまさんが苦戦する雀五郎さんを尻目に全然違う話題で盛り上がりまくる。雀五郎さん、シャープな時との差が激しいな。お遊びは久々に 「やりくり川柳」こちらは楽しく終了。

そして今年は初日から抽選会、僕は当たらなかったけれど、雀五郎さんから 「上新庄駅前寄席」 のクリアファイルが出品されなかったのが残念だった。そんな雀五郎さんの景品が9月の 「乙夜寄席」 ペアチケット。これは欲しかったな。

ていうことで初日から楽しく終わった。次は 8/9 からの3日連続開催、どんな会になるのか楽しみだ。