2017.7.31 【桂文三・三番勝負・其の参@繁昌亭】

桂文三・三番勝負・其の参】

イメージ 1

文三さんの三番勝負、東の人気噺家をゲストに呼んでの繁昌亭での会、壱は喬太郎さん、弐は一之輔さん、そして参は談笑さん。喬太郎さんや一之輔さんと比べると大阪での知名度は少し不足してるかもしれないけれど、随分前から心斎橋劇場で独演会をされてる。知っていながら伺ったことなくて、立川流の場合、東京の寄席にも出ないので、一度も聴いたことなかった。だから今日は文三さんだけでなく談笑さんがとても楽しみで開演を待った。

文三 / ごあいさつ
瑞 / 動物園
文三 / 盗人の仲裁
談笑 / 片棒
仲入り
文三 / 宿屋仇

文三さん、まず上がってごあいさつ。談笑さんのこと瑞さんのこと、いろいろ。今日も楽しくなりそうだ。

瑞さん、名前の読み方の話から、堺出身でといつものまくら。今日はそこそこ受けていた。だけどこのまくらは受ける度合いでその日の客席の自分への親和度みたいなのが計れて、実はとても便利なのではと思った。
そこからネタは 「動物園」、働く条件言う時の手の動き面白い。ちょっとクサめになってるけど悪くない。下げ前少し間延びしてるように感じた。

文三さん、今日も師匠の話。いつも言ってるけど、五代目一門の人がする師匠の話がすごく好きで、中でも文三さんのがとてもいい。今日は前にも聴いたことあるけれど、「道具屋」 に入れた工夫で怒られた話。いつも師匠愛を感じる。で、盗人の噺をしますと 「盗人の仲裁」、女房が出ていき留守になったのを見てとある家に侵入した盗人が、盗るものを風呂敷に包んだ後、用意されてたご飯を次々食べていく場面、しかし文三さんはいろんなものをおいしそうに食べる。見ているこちらが誰か帰ってくるとハラハラするほどに、ここがまた長い。他の演者なら、まずこの場面でここまで引っ張らないと思う。文三さんの食べることに対するこだわりだな。そしてまず亭主が帰ってきて床下に隠れる盗人、亭主風呂敷をみて女房が男つくって出ていく準備と勘違い。そして女房帰ってきて、同じようにまた勘違いで大喧嘩となる。亭主の投げた鉄瓶が柱に当たって隠れてる盗人水浸しに。たまらず登場して「盗人の仲裁」 となる。そしてなぜか盗人と亭主が仲良くなって、一緒に飲みだす。下げもよくできていると思う。案外掛からないけど好きな噺。文三さんご陽気全開だ。

そして談笑さん、第一印象は大きいな。大阪では独演会はもう11回やってるけれど、繁昌亭は初めてだと。なんかうれしそうだし、面白そうだし、なかなかいい印象だ。大阪の話、この近所の話から、いろいろ政治ネタをばっさり。ギャグに特化するのでなく、結構際どいこと言いながらギャグで落とす。以前は普通にする人多かったけれど、今はこういう状況なのでなかなか難しいけれど、さすがにうまい。そして師匠の話が続く。でも立川流の人そんなに聴いてるわけじゃないけど、文三さんの師匠話とは対照的にほぼ飽きてきている。
そこからネタは 「片棒」、前半見事な改作で爆笑続く。初めて聴いたけどすごくセンスのある人だと納得の高座。だけど後半に入って長く感じてきた。同じテンポの笑いが続くからか、まくらも同じように前半爆発的だったけど。
この人相当面白いのは間違いないし、今日もすごく受けていたのだけれど、?も残った。別の噺も聴いてみたいな。

仲入り後は最後文三さん、ネタ出しなしだったのでトリネタ何かなと思っていたら、日本橋では……、おお 「宿屋仇」 じゃないか。好きな噺で文三さんでは聴いてないはずだ。始まったけど、どうも客席のノリが今一つよくない。談笑さんの空気がまだまだ残ってる感じ。文三さんでこの噺、本来むちゃくちゃ受けるはずなんだけど。後半盛り返したけれど、何かすっきりしないまま終わってしまった。この噺でいつも思うところは、伊八コールをどの部分でためるのか、それで印象が大分違ってくると思う。

文三さんの三番勝負、一回目と二回目は文三さんとゲストとの相性も抜群で、どちらもただただ抜群に面白かったのだけど、今日は少し違ったな。やっぱり落語会は流れが大切だと改めて感じた。