2017.7.9 【第381回・岡町落語ランド@豊中市立伝統芸能館】

 【第381回・岡町落語ランド】

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伝統の「岡町落語ランド」、今日は佐ん吉さんのプロデュ―スだ。客足は最初そうでもなかったのだけど、最終的には60人超えたぐらいだろうか。かなりの満席感。やっぱりここは前方座布団にするとみなさん座布団持って壁際に座るので、客席がとてもばらけてる感じになる。準備片付けに時間はかかるにしても、全席椅子席にする方が客席のテンション上がりそうだ。それに座る方も楽なんだし。そして今日は聴いたことのない噺もネタ出しされていてなかなか楽しみなプログラム、かなりの期待感で開演を待った。

りょうば / 強情灸
佐ん吉 / 猫とさいころ
仲入り
喬介 / 幇間腹
染二 / 質屋芝居

りょうばさん、今日もリズムよく上がってきて、入院中の師匠ざこばさんの話から。一門の他の方も話されてるけれど、看護師にどうこうとか、お酒がどうこうとか、弟子たちがここぞとばかりにいじってくる。師匠は入院してもこうして弟子たちにネタを提供する。こういうのいい感じだな。そこからネタは 「強情灸」 りょうばさんでは2回目だけど、勢いと男気、威勢のいい兄ちゃんがやんちゃしている感じが今日もとても良かった。

次が佐ん吉さん、実は前回のこの会もとてもいい顔ぶれで、佐ん吉さんプロデュースだったのに手違いで佐ん吉さんの出番はなかった。なのでか、今回も連続プロデュース。ギャンブル好きの佐ん吉さん、今日は競馬でなくパチンコの話題から 「猫とさいころ」、佐ん吉さんが南海さんから教えてもらった、ていう話だったけど、聴いてみたら怪談噺で演題のように全くほのぼのとはしていない。 徳蔵という博打好きの男がひょんなことから猫を飼い始め、その猫のおかげで博打に大勝する。それを根に持った博打に負けた男二人が徳蔵を殺し、猫がそれを復讐するというもの。かなり凄惨で怖い噺だけど、この噺、講談では 「赤壁大明神の怪猫」 という演題でかなり有名なようだ。そう言えば聴いたことある気もする。佐ん吉さんはこれを飽くまでクールに、大仰にならずに演じていたけど、じわじわと怖さが高まってくる。そして下げもいい。「落語ではするのは僕だけ」 だそうだけど、いいネタ手に入れたなと思う。

そして、昨日の 「摂州皿屋敷」 とこの 「猫とさいころ」 と、夏本番の直前に初めてのいい怪談噺を二つも聴けてとても得した気分だ。

仲入り後は喬介さん、最近米二さんからよく連絡をもらう、と。以前はまったくだったのになぜなのかと思って、弟子の二葉さんに訊いたら、その答えで大爆笑。二葉さんも面白い。そして米團治一門の粗忽話から 「幇間腹」、これはもう、幇間が登場してそこにいるみんなにべんちゃらを言いまくる場面で超ハイテンションの会話が続く。喬介さんの 「幇間腹」 初めて聴いたけど、これはもうすごい。このバカバカしさが全く緩むことなく、最後の猫さんまで続くのが爆発的にいい。今日一かもしれない。最後までいって終わった後も、冒頭のインパクトを維持していた。アホに磨きがかかる。

最後は染二さん、聴くのかなり久しぶりだ。佐ん吉さんの高校の先輩らしい。歌舞伎ワークショップに参加した時の話、浄瑠璃で 「どんぐりころころ」 をするとこうなるとか。この間の鑑賞教室で聴いたところだから面白かった。そこから 「質屋芝居」、この人、以前から声が大きすぎる印象だったけれども今日はそれは特に感じなかった。ただ、芝居ぶりにはもう少し切れ味あるほうがいいのではと思えなくもない。所作がピタッと止まる感じ。でもまくらの面白さも含めていい高座だったし、また聴きたい人だ。

今日も楽しい会だった。それで、今日発表があったのだけど、次回の9/13は初めての試みで、平日昼開催になるらしい。新しい客層というか、地元の人を再度ターゲットにということなのか。でもここで開催されてるプロの有料落語会三つの中では、一番地元客が少ない会だと思うのだけど。でも最近平日昼開催でもよく入ってる落語会いろいろあるから。番組もいいし楽しみだ。

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