2017.7.10 【乙夜寄席・第十九夜@繁昌亭】

 【乙夜寄席・第十九夜】

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今朝、今日乙夜寄席があることに初めて気がついて、しかも出番が米輝さんと喬介さんとくれば、先日の若手グランプリの優勝、準優勝じゃないか。これは行かなくてはと、初めて時間に合わせて家を出た。乙夜寄席自体は5回目だけど、ころころ曜日を変えるので、正直あまり興味がなくなってきつつあった。

秀都 / 鉄砲勇助
米輝 / 超巨大エスカルゴ売り
喬介 / 家見舞い

秀都さん、6月に年季明けしたところらしい。文都門下で天使さんの弟弟子になる。すこし粘っこい口跡で個性的だけど、この噺は地口と虚言の連発でとても濃い噺だから、もっとさらっとしてた方がいいのでは。この頃近い年季できっちりした落語する人多いけど、それがすごく大事だと思う。

続いて米輝さん、秀都さんは関大落研の後輩にあたるらしい。名ビラのこととか、見台のこととかいろいろいじる。落研の先輩ならではだけど、これも後輩思いからだろう。そして、今日はきっちり古典するのかなと思っていたら「超巨大エスカルゴ売り」 という噺をします。まさかこれを掛けてくれるとは。一体どんな噺なんだろうか。
冒頭は親子の会話から。どうやら勘当された息子が刑期から戻ってきて、父に許しを請う場面だ。しかし、父親は頑なで 「うちの息子は死にました。お引き取りください」 と言ってきかない。そこで唐突に嫁が登場、横にいたのか、となって、続いて子供も出てくる。そして 「孫を抱いてやってくれ」 と息子から迫られ、父親はあっさり陥落する。えらい人情噺やなと思っていると、一瞬で超巨大エスカルゴの噺になる。この人情噺の吹きとばし方がとてもいい。後はもう説明できない怒涛の展開。液のはなしが忘れられない。

最後は喬介さん、昨日の岡町に続いて二日連続だ。大師匠の松喬さんが亡くなる前に病院のベッドから 「俺を笑わせてみろ」 と言った話、よかったな。そして米團治粗忽話、この話むちゃくちゃ受けるな。
そこから噺は今日は 「家見舞い」、これは東の演題になるのかな。喬太郎さんとかよくしてるよな。これ、なんというか、「ちしゃ医者」 と 「へっつい盗人」 と 「壺算」 を合わせたような噺だけど、メインはやっぱり 「ちしゃ医者」 になるのか。後半の食事の場面になってから、豆腐だ、ほうれん草だと、おいしそうなものが次々出されるのだけど、それがことごとく例の水を使ってる。そして海苔で一息ついた後の温ごはんの絶望感。このエスカレートしていく様がいい。下げ前の、どこまでいくねん、て感じが落語らしくてとても楽しい。喬介さんもっと聴かなくては。

てことで、久々の乙夜寄席、とても楽しかったけど、客席は50~60人。この顔ぶれで少し寂し過ぎないか。まして7月、深夜寄席が本来一番盛り上がる夏場じゃないか。なのになぜ月曜日開催なんだろうか。理解できない。もし、いろんな曜日にしてどこが一番客入りいいか統計とってるのなら意味のないことだろう。金曜か土曜の週末固定しかないと思う。本来新しい顧客開拓のための深夜寄席だったはずだけれど、今日みてるとマニアな人達と今日の演者のファンが大半のようにみえた。乙夜寄席迷走しすぎだな。一体だれのアイデアで曜日ころころ変えているのだろうか。