2017.6.25 【岡町南天の会@豊中市立伝統芸能館】

【岡町南天の会】

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さて今日は4月以来の 「岡町南天の会」、最近南天さんの会はこの岡町と太融寺が中心になっているのだけれども、8月には久々に動楽亭、そして7月から三宮での会も始まる。いろいろと定期的な会が増えてくる中で、この岡町の会はどうなっていくのか。地元でもあり、動員もずっと良好のようだしぜひ続けていただきたいところだけれども、やはりこの会は客層が少し特徴的で、落語ファンよりも地元の人が多い。そして南天さんの他の会と比べると客席の年齢層が高い。で、それは、同じ会場で開催されている他の落語会にも言えることだ。最近いろいろと落語会の開催が増えている岡町エリア、隣駅の曽根にできた豊中文芸センターと一緒に北摂の落語のメッカになってもらいたいな。

福丸 / しの字丁稚
南天 / 佐野山
染左 / 借家借り
南天 / 代書

福丸さん、ショッピングセンターで落語してすべった話で受ける。だけど僕自身はそんなオープンなスペースで落語してるのほとんど遭遇したことないんだけどな。で、そこからネタは 「しの字丁稚」、案外掛からない噺だけど丁稚ものとしては面白いと思う。何か福丸さんの飄々とした様に噺があっていた。

南天さん、この会は予約100名完売で今日来た人が99人で 「筋のいいお客様」 だと。そして今日のゲストの染左さんと秋ぐらいに何やら新しい会を考えてると。これは楽しみだな。結構画期的かもしれない。
そして一席目はネタおろしの 「佐野山」、相撲噺の中ではあまり掛からない方だけど、講談や浪曲にも同じような噺があって、元々落語ネタではないのだろう。親孝行な相撲取りの人情噺なんだけど、南天さん、小野川と佐野山の取組みの中で佐野山を応援する堂島のジキと雑喉場の商人が張り合う場面で爆笑だった。ネタおろしからの完成度はかなり高いと思えるし、これから先かなり楽しみだ。

続いてゲスト枠は染左さん、南天さんのことをラジオやテレビ、やっぱりメディアに出てる人は違うと持ち上げる。そこから噺は 「借家借り」 これも珍しい噺で、僕は初めて聴く。だいたい演題からして同じ漢字が重なっていて言葉としてどうなのかと思うし、同じ借家ものの 「借家怪談」 と比べると、噺の芯がないと言うか家主がなぜこんなに怒ってるのかよく分からない気持ち悪さがある。だからみなさんあまりやらないのかな。でもそんな話を染左さん怒りのテンションを上げたり下げたりしながら、きっちり笑いをとっていった。僕的には 「お茶いれて~」 がツボだった。

最後は南天さん、すっかりおなじみになった 「代書」、冒頭からのボケの応酬がまた一段とパワーアップしている。おすましとか、モノマネとか次々繰り出され、「せいねんがっぴ」 はしつこいめに、でもそれがいい。そして 「うまれたとしつき」 からやった職業で、いいちいち爆笑になる。最後はポンで下げる。アホな男を思い切り中心に据えた 「代書」 で、南天落語の中でももうかなりのポジションになっているのではと思う。
そして、僕の通路を挟んで隣に座っていた女性が一席目から全然笑わなくて何か気になっていたのだけれど、さすがに 「代書」 の後半では大爆笑だった。参ったか。

今日は三席目まで比較的聴く機会の少ない噺が続いた。やはり掛ける人が少ないことには訳があって、手間のかかる割に面白くないとかなんだろうけど、今日はそんな噺をどうやってきっちり商品化していくかという皆さんなりの工夫が楽しめてよかった。そして最後に 「代書」、本当にいい番組だった。