2017.6.21 【仁智の新作落語道場・笑いのタニマチ@繁昌亭】

【仁智の新作落語道場・笑いのタニマチ】
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谷六で長年にわたって開催されてきた、この 「笑いのタニマチ」 が、使っていた建物の取り壊しによって今回から繁昌亭に移ってきた。仁智さんやこの会の常連さんたちには残念なことだと思うけれども、例によって座敷が嫌いで、行きたい気持ちは大いにあっても結局2回ぐらいしか行けなかった僕にとっては朗報だった。そして今日、繁昌亭の1Fは満員でゲストはあやめさん、どんな会になるのか楽しみで開演を待った。

智丸 / 寿限有
団姫 / 田中君の防犯手帳
仁智 / アフリカ探検
仲入り
あやめ / 私はおばさんにならない
仁智 / 四十九日

智丸さんから、世間で有名な落語ベスト3は、①寿限無 ②時うどん ③饅頭こわい だと。なるほど納得だ。あくまで落語に全然興味のない人でも知ってるて意味でね。そこから、のろわれた一族の噺 「寿限有」。
寿限無の一族はこの名前におかげで、誰もが超長生きで、寝たきりにはなっても死ななかった。そこで当代投手は息子に逆に長生きしないようなめでたくないような名前をつける。すると息子は間違った方向に成長して、という噺。とても面白い。やはりこの人の発想は只者ではない。智丸さんの噺もっと聴きたいな。

次は団姫さん、かなり久しぶりだ。自分はお坊さんの資格も持っていると、ヅラをとる。客席は驚く。そして、出前詐欺の話、オレオレ詐欺の話から、堺の警察から依頼されて作ったという噺、「田中君の防犯手帳」 へ。何かピンとこなかった。今日のネタの中だと相当面白くないと太刀打ちできない気がする。

続いて仁智さん、団姫さんを受けてヅラ姿で登場、何事かと思った。そしてタクシーのメータの上がり方や伊丹から但馬空港に飛んでる飛行機のことで爆笑。30人乗りぐらいの小さな飛行機が離陸する時の恐怖を自ら飛行機になってモノマネ、これが大爆笑だった。そこからネタおろしの 「アフリカ探検」、ケニアに行って娘がさらわれたりとかいろいろな騒動が起きる噺で、地口ギャグ連発。下げもその流れでスコンと落とす。仁智さんのネタおろしてのは久しぶりに聴いたけど、他の人の新作とは明らかに違っている。前半はアフリカ舞台の小説を思い起こすような描き方だけど、後半どんどんおバカになってきて大爆笑だった。

そして仲入り後はあやめさん、今話題の14才のプロ棋士の話、自分の娘と同い年だと。そこから 「わたしはおばさんにならない」、以前も聴いたことあるよなと思って調べたら、僕が聴いていたのは 「わたしはおじさんにならない」 の方だった。どうも、おばさん、の方が進化して、おじさん、になったらしい。おじさん、の方は女も年を重ねるとおっさん化するもので、それを阻止しないといけない、みたいな噺だった。今回の、おばさん、の方は年代的にまだそこまで行っていない女性たちの噺。おばちゃんたちの生態をいろいろとあばいていく。ことごとく受けるのだけど、あやめさんのこうう観察眼はいつもながら鋭いなと思う。

最後は仁智さん、クリスマスイブに奈良の寺で落語会とか、別に子供向けのイベントがあって、それは寺が家でクリスマスイブをさせないための計略なんだと。家でやらなくても寺でやってたら同じではと思うのだけど、よく分からない。そこから 「四十九日」、母親の葬式から四十九日で、兄弟三人が集まり形見分けとかの話になるのだけれど、結局父親を誰が見るのかという話になって、押し付け合いになる。そして、実家が案外高く売れそうで今度は取り合いになる。そんな中父親は怒って一人でいいと。いろいろとギャグが散りばめられていて楽しい噺、そしてこちらは新作の王道のような作品だ。それにしても葬式物の新作多いな。

久しぶりに来て、やはり仁智さんの新作は荒唐無稽で楽しい。次回は9/12に繁昌亭で開催とのこと。もうずっと繁昌亭でいいと思うのだけど、座敷の復活だけはなしにしてほしいな