2017.6.8 【高津落語研究会@高津神社・末広の間】

【高津落語研究会

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毎度おなじみ高津神社の参道

さて今日は 「高津落語研究会」、もちろん毎月楽しみな会なんだけど、今日は8月の連続開催の日程が発表されるのでは、という期待があって、なにやら開場待ちの時からざわざわしていた。5月に珍しく休日開催で130人を超えるという過去最大の入りを記録しただけに、今日は普段の平日開催に戻ったとはいえ、列の伸びは悪くない。開場時間はほぼ定時だったけれど、最終的には80人強、もう普段でもこれぐらいは入る会になってきたということだろう。ということで今日も楽しみなネタが並んで開演だ。

ひろば / 看板の一
たま / 棟梁の遊び
雀五郎 / 明石飛脚
南天 / 植木屋娘
大切り / (司会) ひろば  たま、雀五郎、南天
       なぞかけ-交流戦、印象操作、傘  
       お遊び-新しい天体、その名前は

ひろばさん、いろいろなピンとキリについての話から「看板の一」、ひろばさんでは3回目で、親っさんの貫録が以前から目立っていたけど、ねめつけるような視線やいかにも昔ならしたようなしゃべりで一段と磨きがかかっていた。この噺は滑稽噺だけれど、親っさんがきちんと描けないと噺が成立しなくなると思う。そんな意味でもよくできた 「看板の一」 だった。そして、下げなんだけど、初めて聴いても予測はつく。でも気持ちがよくて身を任せられる下げだ。落語の下げはこういうのがベストなのではといつも思っている。

次はたまさん、ガラケーもって高座に上がる。そして学校のエンタメコースみたいなところからメールで仕事の依頼が来たけどギャラはなしと書いてある、と。どうしようかとか言ってたけど、もちろん断るんだろうな。だけどどう断るのか、なんだろうな。そこから噺は 「棟梁の遊び」、去年たまさんで一度聴いたきりでどんな噺か忘れていたけど、聴いてるうちに思い出した。廓へみんなで行ってお代を踏み倒す噺だ。「居残り佐平次」 とよく似た噺だけど、どうみても向うの方が噺としてはずっとよくできてる。何か無茶に無茶を重ねたような噺だ。もちろんたまさんだから、それなりに面白く仕上がってるんだけど、まあ珍しい噺が聴けたというところかな、と。

続いて雀五郎さん、開場時に渡されたチラシの中には8月の高津の分がなくて、日程はまだなのかと思っていたら、雀五郎さんから 「今8月の日程が最終決定したので、後の3人がつぶやくと思います」、4人の中で雀五郎さんだけが twitter とかのSNSまったくやっていないから。そして、母校落研の先輩、ABC三代澤アナの依頼で先日ラジオに出た話、今日の客席の中では聴いた人結構いるけれど、放送事故かと思うほどの無言ぶりだった。高津ではこんなにしゃべってるのに。そしてネタは 「明石飛脚」、どこでも下げられるけど、どこで終わるか客席との呼吸の押し引きが楽しい噺、雀五郎さんこの辺がやはり独特の間でよかった。あと、走り出す時のおなじみの所作はもう少し切れ味があってもよかったかな。

最後、南天さんが上がった時点でまだ7時50分、三席で50分しか経っていない。でも結果的には、この 「植木屋娘」 が結構長講になった。まくらで、神戸に南光さんのモノマネをするタクシーの運転手の人がいて、その人をレポータとして取材するという仕事をしたと。その顛末で大爆笑、無事放送はされたらしい。見たかったな。そして両面よく焼き餃子の話と、自分の娘の話から 「植木屋娘」 へ。南天さんのはとにかく濃い。しゃべり、所作、表情、濃いけど緩急もある。幸右衛門、女房、おみつ、和尚、伝吉、それぞれの登場人物がとてもいききと描かれていて楽しい。なかでも当人二人以外の三人が大活躍だ。ぶっ飛んでる幸右衛門、きっちりした女房、キャラ不明な感もある和尚、いろいろ絡み合って下げに。あまりよく考えないで勢いでつくった感の後味がいい。

大喜利はなぞかけで雀五郎さん苦しむ。最近一時の切れ味がないが、それはそれで面白い。だけど、天体の名前を言うもう一つのお遊びでは、雀五郎さんの 「タイタン」 が秀逸、関西弁と星の名前でお開き。

ていうことで、今日もとても楽しかったけれど、8月高津は11回+西淀川の公演で決定。今年も皆勤は無理だけど結構通えそう。もうすぐ今年も高津の熱い夏がやってくる。本当に楽しみだ。