2017.6.6 【生喬文三ふたり会@繁昌亭】

【生喬文三ふたり会】

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去年より始まった 「生喬文三ふたり会@繁昌亭」、ご存知南天さん、花丸さんとの同期ユニット 「ラクゴリラ」 のメンバーでもある。なのでもちろんチームワークは抜群、今年も東の師匠をゲストに迎えての会。文治さんだ。襲名の頃大阪に来られてた時何度か聴いたことがある。この人も明るいキャラで、雰囲気的には三人会だな。
てことでかなり楽しい会になりそうな雰囲気でいっぱいの中開演した。

鼎談 / 文治、生喬、文三
文三 / 次の御用日
文治 / 鈴ヶ森
仲入り
生喬 / 天王寺詣り
文三 / 青菜

トークは最初生喬さん文三さんが出てきて同期の話、生喬さんがミュージカルに出演する話から文治さん呼び込む。文治さん襲名時の裏話は興味深かった。やっぱりそれぞれ関係者の思惑があるし、東西桂の宗家の名跡だしクリアすること多かったんだろう。そしてこの三人はよく一緒に学校寄席に行ってるらしい。そこで文三さんは 「四人癖」 ばかり掛けて小学生に大受けする。文三さんは小学生のヒーローだと。あの「四人癖」は子供達には受けるだろうな。そんなこんなで、三人のテンションが同じように高くてもう三人会のような感じで、今日の会への期待が高まった。

今日は文三さんが二席、生喬さんが一席、一席目は 「次の御用日」、これも好きな夏噺だ。この時期夏噺が一気に掛かりだすのもとてもいい。この噺、僕は物憂げな物売りの声や天王寺屋藤吉が駆けてくる住友の浜の真夏の情景がくっきりと浮かび上がるところがポイントだと思っている。だけど6月とは言えまだ少し涼しい今の気候ではなかなかくっきりとはいきにくいか。でも後半お白洲の場面ではきっちりした進行と 「あーっ」 が対照的で面白かった。こlこの 「あーっ」 は文三さんのようにしつこいくらいがちょうどいい。

続いて文治さん、二つ目になった頃の師匠との思い出話、こういう話する時の噺家さんの顔はみなさんとてもいい。やっぱり弟子からみた師匠との絆ていうことなんだろう。そこからネタは 「鈴ヶ森」、この噺上方では 「崇禅寺馬場」 なんだけど、結構違う。と言っても 「崇禅寺馬場」 はたまさんでしか聴いたことなくて、たまさんのはオカン物になっているけど、多分元々のにはオカンは出てこないだろうし 「鈴ヶ森」 とどこまで違うかは分からないけど。でも文治さん声が大きくて大阪ではもちろん受ける。東京の人はまくら小声でぼそぼそ言う人結構いるけど聞こえにくかったらなんにもならない。今日も終始爆笑が続いて、笑い疲れたからか、終盤どこでも落とせそうなのになかなか落ちないように少しくどく感じてしまった。

仲入り後は生喬さん、四天王寺近くの松喬さんの墓がある寺には歴代松鶴を始め、噺家の墓がとても多くて、墓詣りにいくととても忙しい、という話から、「天王寺詣り」、ちなみに天王寺というのは地名、駅名であって、天王寺という寺はない。大阪の人が 「天王寺さん」 と呼ぶのは聖徳太子の建てた四天王寺のことだ。この噺は、四天王寺を紹介するガイドムービーみたいなつくりになってるのだけど、ずっと同じようなリズムで噺が進んでいく中でいろいろとギャグが出てきてよく受ける。それにしてもいい噺で、生喬さんでは何度か聴いているけれどもとても気持ちよく噺の中に浸れる。

文三さん二席目は、生喬さんを少しいらう。若手の頃から風格があったのでめくりとかやらせてもらえなかった。そして当時からよく飲んでいて飲めない自分はうらやましかった、と。そこから 「青菜」、今年3回目だ。まだまだ聴けそう。文三さんの 「青菜」 は夏をちゃっちゃと運んできてくれる。もう庭先の縁側の風景がくっきり。そして植木屋が文三さん的でキャッキャととても賑やか。そして後半はなんやかやと言いながら旦那のあほげなことに付き合ってやるお咲さんがいい。文三さんこの噺あまりするイメージがなかったけど、調べてみたら6年前に一度聴いたきりだった。僕がたまたま聴いてなかっただけなのかな。なかなか聴けないあまりにも楽しい 「青菜」 だった。

てことで、東西同世代が三人集まりとてもにぎやかな会だった。そして4席ともきっちり受ける。本当にいい会だったと思う。次回は誰がゲストでどんなネタになるのか今から楽しみだ。後、今日は繁昌亭1Fで100人ぐらいか。内容と比べて正直少しさみしかったかな。