2017.6.2 【吉朝学習塾・十三回忌やっちゅうねん・2日目@繁昌亭】

吉朝学習塾・十三回忌やっちゅうねん・2日目】

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昨日の初日は、早くからチケット持ってた会があって行けなかったのだけど、帰宅後 twitter とかみてるとかなり楽しかったようだ。僕はこの吉朝一門の落語はもちろん、何かと言うとみんなで面白いことしよう、ていうスタンスが好きなんだけど、そんな中でそれぞれの役割というかポジションが決まってきて、また変わってきてみたいなのも面白い。さて今日と明日の2日間通うけれども、どんな一門会になるのか楽しみは尽きなかった。

よね吉 / 商売根問
吉の丞 / 借家怪談
しん吉 / ヨほめ
仲入り
佐ん吉 / 転失気
吉弥 / かぜうどん
吉朝一門 / リレー落語 「地獄八景亡者戯・中」 

今日の開口一番はよね吉さん、米朝宅での内弟子時代のこと少し振って 「吉朝に最初に習った噺をします」、で 「商売根問」、前座の時間は15分です。と言いながら、なかなか終わらない。にしてもよね吉さん、最近あまり聴く機会がないのだけど、相変わらずうまい。なんやかやとメリハリが大きくて、そして自分のひいきもきっちりといる。結局ガタロまで行って、7人全員の名前を出して20分ぐらいで下りる。

続いて今回のプログラム担当の吉の丞さん、上がっていきなり 「こんにちは」、ネタに入り掛けて、一呼吸置いて、楽屋に向かって「前座は15分じゃー」、で、「借家怪談」、幽霊登場してから柄の悪い男の 「ワレー、ワレー」 が耳に残る。この噺も吉の丞さんのニンに合ってる。勢いよくちゃっちゃとやって次につなげた。

中トリはしん吉さん、入門20年なのでもう師匠が亡くなってからの方が長くなった。そして今やってる鉄道の新作を師匠にみてもらいたかったと。そこから 「ヨほめ」、何度かネタ出しになってるのを見て気になっていたけど、こういう噺だったのか。漠然と 「子ほめ」 の改作かなと思っていたけど、「牛ほめ」 の方だった。でもよく出来ていて面白い。実際にレールを敷いた自宅のガレージに、何て言ってたか車両のデッキみたいな部分を持ち込みワーワーとなる。笛での演出もあって盛りだくさんで、下げも見事に 「牛ほめ」 的に決まった。

休憩の後は佐ん吉さん、内弟子時代に米朝さんが地元病院行った時の話で受けて、そこから 「転失気」、去年の12月に梅田の神社でネタおろし聴いて以来だ。最近佐ん吉さん、この噺を随分かけてるようだけど、なかなか聴けてなかった。ネタおろしの時からかなり勢いのある 「転失気」 だったけど、今日聴くと和尚のハイテンションが研ぎ澄まされていて、更に兄弟子さんもいい。最近聴いた 「転失気」 の中ではやはり秀逸だ。ただ、僕はどうしてもこの噺の下げが好きじゃなくて、この際佐ん吉さんなにか考えてもらえないだろうか、と思ったりした。

一応のトリは吉弥さん、朝ドラの大阪弁にさらっと突っ込んでから歌う歌う。そこからなぜか 「かぜうどん」、初夏の 「かぜうどん」、季節的な違和感はあるのだけれど、吉弥さんのこの噺基本好きなので、これはこれでいいのかと違和感が身体になじんできた。で、やっぱり下げに向けての小声の展開がとてもいい。そして最後ピタリと決まる。「地獄八景」 に向けてのつなぎとしてこの噺の選択だったのか。

ここで一旦幕が下りて 「地獄八景」 の前説に幕前に吉の丞さん登場。昨日盛り上がった一芸コーナーは今日もやると。そして幕が上がって高座には吉坊、冥土筋のあたりから時事ネタかなり盛り込みながら、端正にきっちり進めていく。ここは普通の落語の 「地獄八景」 だ。この部分も楽しい。そして、地獄の入り口で一芸披露の場面になり、ここで吉坊が下りる。変わって、あさ吉さんのえんま大王が高座につき、横に何とも言えないコスプレのよね吉赤鬼が控える。
ここから一芸披露、.まずしん吉さん、阪急電車のモノマネで極楽行き、でももうちょっと聴きたかった。続いて吉弥さん、なんと女装で美輪明宏のモノマネ、なかなか妖艶でこれも極楽行き。次は佐ん吉さん、扇子の替りにけん玉もって踊りを。けん玉度々落として地獄行き。そして最後に大王と赤鬼で漫才、あさ吉さんの台本らしいけど、これがよく出来ていてしゃべくりで面白かった。名前はWパーカーズ、二人ともパーカー着てたから。しかし、地獄行きやったような気が。

ここまでとても楽しかった。やっぱりこの一門はチームワークがいいってだけじゃなくて、このリレー落語のように、チームワークの良さを芸として見せることができる。それが強味か。まだもう一日ある、明日もとても楽しみだ。