2017.5.6 【高津落語研究会@高津神社・末広の間】

【高津落語研究会】 

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さて今日は 「高津落語研究会」、珍しく休日開催だし、8月の高津西淀川の先行発売もある。これは混むぞと、いつもより早めに17時45分ごろに着いた。するともう10人以上が列をつくっていた。その後も列は伸び続けたけれど、一緒に並んでいた人たちと、この会は少々のことでは開場時間を早めない、とか言っていたら、それが聴こえていたかのように、18時10分に20分早めての開場となった。そしてその後も開演時間まで客足は止まらない。たまさんたちがあちらこちらから椅子を調達し、後ろに置いてあった備品のようなものも片づけて、なんと最後列にはファミレスとかでよくみる子供用の椅子まで並んだ。都合132名+α、この会の新記録、これまでの最大が95名らしいので、圧倒的な更新だ。これはさすがのたまさんにも予測できなかったようで、何かとんでもない熱気の中で開演となった。

たま / 花ねじ
雀五郎 / 蛇含草
南天 / 強情灸
ひろば / 立ち切れ線香
大喜利 / (司会) たま  雀五郎、南天、ひろば
     なぞかけ-誕生日、母の日
     お遊び-「事件が起きました」

たまさん、最近 「正論だけではだめ」 とよく言われる、と。繁昌亭昼席の自由席と指定席の違いを例に客席の埋まり方で受け方も変わってくると。なかなか面白い話だった。まくらでこんなこと言う人やっぱり他にはいない。
そこから 「花ねじ」、たまさんで何度も聴いているけど、いつも破壊的に面白い。隣の学者先生のキャラがとてもいい。 そして後半の節穴のふさぎ方、ふさがれる様で爆笑。そして下げの返歌、これ好きだな。もう一つ 「素丁稚」 ていう言葉、他の噺では聴いた事ないと思う。あまりな言い方やけど、なんか引っかかった。

それにしても今日の大入り、普段はこの会70~80人ぐらいの入りなので、同じ部屋に130人も入ると、笑い声や拍手のボリュームが全然違う。真ん中ぐらいに座っていたんだけど、後ろからどっと押し寄せてくる感じだ。それでまた演者もものる。

次は雀五郎さん、余りの入りで高座横に座布団おいて座ってる人を気にする。そらそうやろ。で、8月の件、12~14日ぐらい開催することになりそう、と。そして西淀川の件にも少し触れる。そこから噺は 「蛇含草」、僕の好きな夏噺だ。主人の文句に対して大声で 「あんたとわたいは!」、礼儀知らずと言われながらどんどん食う。そして曲喰いの場面が多彩で楽しい。それにしても今日も雀五郎さんの落語は表情がとてもいい。困惑の表情は前からよかったけれど、今日は1個半残してもう食えないとなった時の 「あやまる~」 の情けなさがよかった。ただ、下げ前の蛇含草の説明が少しくどく感じた。もっとさらっと言っても分かると思う。

続いて南天さんも入場者数にふれ、ユニットの勉強会で100人超えるのなんて、高津とラクゴリラだけだ。そしてこの会が始まった経緯を紹介、いろいろと縁のものだ、と。そこからいろんな言葉の面白さ、子供の頃の親の言葉、「知らんで」 とか。これは確かによく言われた。南天さんのこういう土着的な話が好きだな。
そしてネタは 「強情灸」、まあとにかくとんでもない勢いがある。で、勢い余って鴨居に手をぶつけて 「わいの家か!」 ここで大受け。南天さんのこういう勢い系の噺はずっと同じテンションで下がることなく続いていくので受け続けるんだな。でも南天さん、やっぱり噺の幅が大きい。かなり自在に操ってる。

最後はいよいよひろばさん、「立ち切れ線香」、
「たちぎれしまーす」 からいきなり噺に入る。ひろばさんの 「立ち切れ線香」 は全体的に穏やかで優しい。前半の番頭が若旦那を諫める場面では、番頭にもう少し厳しさがほしいなと思ったけれど、後半のお母ちゃんについてはそれがすごく活きてくる。小糸の位牌を若旦那に出す場面で、過度に悲しむのでなくさらっと若旦那に見せる。そこに恨みの感情とかはみえない。若旦那と二人で悲しみを増幅させるのでなく小糸がいない現実をきちんと伝える。でもそれが聴き手の感情をゆさぶる。そして朋輩衆が飛び込んできた時に少し笑いが出てたのもよかった。僕はここは場面転換だと思っているので。そして静まり返った客席の中で下げ。いいたちきれだった。
でもこの噺後半は客席が静まり返るんだけど、130人の拍手や笑い声のボリュームがすごかった、て言ったけれど、客席の沈黙についても130人ならやはりすごい。みんなの息だけが伝わってくるように感じた。

そして大喜利、今日の司会のたまさん、「立ち切れ線香」 の後に大喜利てのは何かやりにくいですね。と言いながらもばさっと空気を変える。なぞかけは 「誕生日」 と 「母の日」、最近なぞかけでやや不振だった雀五郎さんがシャープな回答連発して完全復調、続くお遊びもたまさんのなかなか難しい出題に、雀五郎さんが変則回答で対応しよく受ける。

今日も四者四様で楽しかった。西淀川スペシャルのチケットも確保したし、8月の高津もかなり具体的になってるようだし、とても楽しみだ。だけど次回からと8月の連続開催、どういうように客足をさばくのだろうか。まあ、たまさんいろいろ考えてそうだけど。
それと今日はやはり、全然お会いしたことない人がかなり来ていたように思う。そんな人たちの多くは多分楽しかったと思ってもらえただろうし。次回の動員も楽しみだな。