2017.4.9 【岡町南天の会@豊中市立伝統芸能館】

【岡町南天の会】

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さて今日は 「岡町南天の会」、前回開場予定70分前に着いたらもう十数人が並んでいたので、今日はもう10分早く着くつもりで来たら誰もいなかった。えっと思っていたら、5分ほどで知り合いの女性が来た。ほっとしたんだけど、落語会に早めに行って誰もいないのは僕はかなり居心地が悪い。やっぱり今日はいい落語会がヤマのようにあって競争が激しいからかな、と話していたら出足がよくない。列をつくってからもなかなか伸びていかない。でも最終的には80人ぐらいだろうか。僕自身もここ以外にも行きたい会がいくらでもある日だったので、それを考えればいい数字じゃないかなと思う。そして、開口一番が瑞さんで、ゲストが花丸さんていうことで期待が高まって開場だ。

南天 / あいさつ
瑞 / つる
南天 / 向う付け
花丸 / たいこ腹
南天 / 胴乱の幸助
  三味線 / 佐々木千華

南天さん、あいさつは今日の昼食の蕎麦屋の話、そして蕎麦湯の話。こういうどうでもいいことを噺家さんがしつこくするの好きです。何かまくらを一つ余分に聴けて得した感じだった。

瑞さん、今日も北野田の話、この話は知ってる人が一定数いないと受けにくいけれど、それこそしつこくやっていけばもっと定着すると思う。で、ネタは 「つる」、瑞さんの落語は最近益々しゃべりのリズムがよくなってる。声も表情もいい。今日感じたのは見た目は女性ぽいけど、落語は案外男っぽいなということ。とても自然に楽しく聴けた。

南天さん、日本の葬式を外国人が見た時の話で受けてから 「向う付け」、無筆の二人がなぜか斎場の帳場を預かることになりいろいろと騒動が起きる。この噺はやっぱり紅雀さんの印象が強いのだけど、南天さんのはちょっと落ち着いてるなと思っていたら、噺の中に花丸さん登場、続いて南天さんも登場。何か意表をつかれた。
そして、最後に無筆の人が参りにきて一騒動で、下げにつながる。楽しかった。

次は花丸さん、南天さんを始め枝雀一門の人には落語会呼んでもらったりいろいろとお世話になってると。そしてそれぞれ名前をあげていくけど一人だけ出てこない。それが紅雀さん、そういえば花丸さんんと紅雀さんの共演てほとんど記憶にない。でも紅雀さんは相手を機嫌よくさせるのがうまいと。
そこからネタは 「たいこ腹」、 太皷持ちは相手の機嫌をとるのが商売だと。入りの女将の一言がとても大きくて明るい。これで空気が一変、更に繁八も元気に登場。ここまでで花丸さんの 「たいこ腹」はかなり印象が違ってて、聴き手のテンションを上げる。そして病人事の芝居部分も結構本息だ。下げは通常だけどその前にかまぼこの板を出して、いじられた南天さんに意匠返しか。爽快な 「たいこ腹」 だった。

最後は南天さん、「胴乱の幸助」 は南天さんで聴くの1年半ぶりぐらいだし、他の人でも最近以前ほど聴かなくなっている。南天さんのは相当面白くて特に京都に行ってからがとんでもなかった印象が強いけど、今日はどうなのか。最初の喧嘩の部分からかなり本気モードで、幸助が派手に登場。久しぶりに人間の喧嘩止めたと満足気だ。ここまで南天さん冒頭からかなり飛ばす、飛ばす。そして稽古屋で浄瑠璃、下手な浄瑠璃を語るのは果たして難しいのだろうかと思う。なんとも言えない味のある浄瑠璃も楽しい。で、やっぱりお半長の登場人物に〇×をつける場面が好きだ。そしていよいよ京都に乗り込んで大スペクタクルが始まる。
僕は上方落語の隠しテーマの一つに 「京VS大坂」 があると思っているのだけれど、この噺もそんな流れの一つだな。とにかく落語のいろんな形での楽しさを十分味会わせてくれた大作 「胴乱の幸助」 だった。

岡町南天の会は今日で4回目のはずだけど、1回目で入場制限するほどの大入りになって、それ以降は南天さんの会にしては珍しく予約受けるようになっていた。そして今日は余りにも強力な落語会が多くて動員どうなのかと思っていた。確かにいつもいるようなマニア組の人は少なかったけれど、地元の人たちにかなり浸透してきているようで比率が上がっていた。こういう場所でする落語会としてはいい形だと思う。そして僕はこの会場については地元民みたいなものでもあるので、ここでやってる他の落語会にも波及していけばなと、思っている。