2017.4.5 【末廣亭・夜の部 真打昇進披露興行】


末廣亭・夜の部 真打昇進披露興行】

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そんなことで、昼の部でかなり疲れたのだけど、本来夜がメインなので当然こもり続けた。4時半ごろに開場なのか、そして5時開演。かなり空席が目立つ。僕は東京の真打披露は初めてだけど当然満員になるものと思っていたので少し拍子抜けだ。口上の顔触れとかもかなりいいと思うのだけど。やっぱり誰でも満員になるというものでもないのかな。
まあ、ともかく僕自身がかなり楽しみな興行だったのは確かだ。

市朗 / 道灌
わん丈 / がまの油
カンジヤママイム / パントマイム
東三楼 / 初天神
三三 / 元犬
ぺー / 漫談
玉の輔 / 紙入れ
一朝 / たいこ腹
正楽 / 紙切り
市馬 / 芋俵
馬風 / 漫談
仲入り
口上 / 司会・玉の輔   小朝、馬風、ひろ木、木久扇、市馬
金魚・にゃん子 / 漫才
小朝 / こうもり
木久扇 / 漫談
さん喬 / 長短
翁家社中 / 大神楽
ひろ木 / 読書の時間

市朗さん、ちょっと早い気もするけど口跡はきれいだ。

わん𠀋さん、かなりオリジナルな 「がまの油」、ライバルがタイガーバームでパスコダガマなんだ。楽しかった。
ところで、この人関西人なのかな。

カジヤママイムのパントマイム、初めてだ。こういう人がでてくるのもこちらの色物の面白いところ。パントマイムは昔から好きだった。

東三楼さん、顔と噺がリンクしてなく感じるけどそこが面白いのかな。金坊がかわいい。

続いて三三さん、この出番で三三さんが普通に出てくるのが東京の寄席の何て言うかやっぱりすごいところだ。
ネタは 「元犬」、以前聴いた時この人の顔が犬から人間に変わったように思えたのだけど、今日も同じだった。
そして人間になった時のうれしがりようがとてもいい。下げも通常とは少し違う。でも三三さん、どちらか言うと犬顔だよね。

ペーさんだ、もちろんピンク一色、でもしゃべりはしっかりしてるし中身も時事的なことや昔の事からめてストンストンと落としていく。テンポもいいし、普通に楽しい漫談だった。寄席で聴くの初めてだったけれど、一方的な先入観でみていた。もっとベタベタなのかと。

次は玉之輔さん、半年前に聴いたのと同じ 「紙入れ」、多分鉄板なんだろう。声がいいし、リズムもいい。女性の表情もいい。そしてスコンと下げた。もっと違う噺も聴きたいな。大阪にはほとんど来てないな。

続いて一朝さん、あまり滑稽噺するイメージじゃないと勝手に思っていたけど 「たいこ腹」楽しかった。でも江戸版は2本打っただけで帰ってしまって少し物足りない。定吉の迎え針がやっぱりほしいと思った。この噺は上方のほうがいい。

正楽さん紙切り、東京の寄席には必ずあるんだけど。僕はこの時間退屈だ。出来上がったものはすごいと思うけれどやっぱりあまり好きじゃない。

続いて市馬さん、この人の力まない高座はこういう寄席の出番にぴったりだ。緩やかなのにばかばかしい噺、一度集中的に聴けたらなと思わせられる人だ。

仲トリは馬風さん、こっちでは仲入りていうのか。休憩と出番の呼び方が同じてのはややこしいな。
馬風さん、漫談は普通に面白かった。そういえば半年前に来た時も漫談だった。

そして仲入り後は口上
左から 玉の輔(司会)、小朝、馬風、ひろ木、木久扇、市馬 と並ぶ。新真打への思いのつまった楽しい口上だった。

後半は金魚・にゃん子の漫才から。何度もみてる、そしていつもよく似たネタだけど楽しい。年齢不詳な雰囲気でいっぱいになるのがいい。

続いて小朝さん、寄席にはどれぐらい出ているのだろうか。僕は初めてだった。「こうもり」は鶴の恩返しみたいな新作でよくできた噺、それなりに楽しかった。

次は木久扇さん、ガンの話、弟子の話、笑点メンバーの話、楽しい漫談だったけど落語は寄席ではもうしないのかな。

そして、さん喬さん、「長短」 久しぶりだけど、やっぱりとてもいい。煙草の火玉の場面で「長」の方が引っ張って引っ張って「短」が激怒する。この引っ張り方がなんともいい。

次は翁家社中大神楽、こういう曲芸は寄席にはなくてはならない。

いよいよトリの新真打ひろ木さん、入ったころ何度もやめようと思ったけど師匠の木久扇さんに引き留められたと。思いは分かるけれどそんな話だと木久扇さんはいい人なんだてのが真っ先に聴き手に『伝わってしまう。
それでいいのかなと思った。そしてネタに入ると 「読書の時間」、なんと真打昇進披露でどうしてこのネタなのか。あまりリズムがいいとも思えなかった。そして最後に津軽三味線を披露。上手いと思ったけど、落語より目立つのはどうなのかな。

ひろ木さんの高座少し違和感があったけれど、考えれば真打と言っても15年目、過度な期待をしてはいけないという事か。客席も空席目立ったし、真打制度のない上方の感覚ではなかなか計り知れないものがあった。
もう真打昇進披露は来なくてもいいかなと思った。