2017.4.4 【吉坊ノ会@近鉄アート館】

【吉坊ノ会】

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先月のチケット発売時にちょっといろいろあって、行くのやめようかと思っていたけれど、結果的には来ることになった。だけど、客席はいつもより空席が多かったし、不自然な空き方だった。原因が分かってるのなら二度とこういうことないだろうけれど、そろそろ会場変えた方がいいのでは、と思う。

ただもちろん、それと落語会の内容とは全く別の話で、吉坊ノ会にしては珍しく三席、それも全部吉坊では聴いたことのない噺ばかり。これはとても楽しみだった。

二葉 / つる
吉坊 / 口合根問
吉坊 / べかこ~踊り・西行
仲入り
三増れ紋 / 江戸曲独楽
吉坊 / 崇徳院

二葉さん、「ジンベイザメはあんたの親戚か?」 とか 「ニッポンのアホ」 で爆笑。声が少し低くゆっくり出ているように感じて聴きやすかった。

吉坊、一席目は 「口合根問」、吉坊以外でも聴いた事ない。「口合小町」 ならあるんだけど。でも米朝吉朝と伝わったネタで、こういう噺はどんどんやっていってほしい。口合てのはシャレ、地口、二人の会話で、オチのないシャレが次々と出てくる。それだけの噺なんだけど、テンポやリズムが大切に思えて、吉坊のはたのしく聴くことができた。できたら一門の他の人でも聴きたい。

そして、そのまま下がらずに 「べかこ」、これまで数人しか聴いていないけれど、この噺結構好きだ。吉坊のも楽しかったけれど、もっとばかばかしくてもいいのでは、と。そして、踊りは 「西行」。いつもながらきれいだ。とても安定して身体がまわる。こういう踊りをみれるととても得した気分になる。

仲入り後は江戸曲独楽の三増れ紋さん、三増一門だ。だけど漫才出身というだけあってしゃべりが中心だった。

そして最後は吉坊 注目の 「崇徳院」 だ。「熊五郎でおます」 まくら一言もなしで噺に入った。名作・崇徳院、この頃冒頭のシーンをカットするのも見かけるけれど、僕はやっぱりこの入りが好きだ。
そして吉坊の 「崇徳院」 でよかったのは、前半の熊五郎と若旦那の会話の場面、前かがりで訊きこむ熊五郎と病に伏せる若旦那の対比、でも二人は子供のころから仲がよかったという関係も感じさせる。
そしてもう一つは、最後に熊五郎とその相手が出会ってお互いに探してた人物と分かった瞬間の二人の顔、取っ組み合いながらもうれしさみせる二人。そんな微妙な感情がいろいろ入った素晴らしい 「崇徳院」 だった。

この会はこれからもやはりずっと来たい。プログラムみてると「宿屋仇」 も久しぶりに聴きたくなってきた。