2017.1.8 【上方新鋭落語会2017@西宮芸文中ホール】

【上方新鋭落語会2017】

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昨日に続いて同じ西宮芸文中ホール、今日は 「上方新鋭落語会」てことで米朝一門の若手精鋭が揃う。若手というより中堅かもしれない。とてもいいメンバーだけど去年の5月の同じ会では正直このホールのキャパでは少ししんどいかなという印象だった。今日は去年とは三人演者が変わっての開催、さてどうなるか。また昨日より面白くなるのかどうか。連日来てる人も結構いて、注目の開演だった。

團治郎 / 桃太郎
ちょうば / 読書の時間
紅雀 / 親子酒
南天 / 火焔太鼓
仲入り
米紫 / 厩火事
(大喜利)  司会・南天  ちょうば、團治郎、紅雀、米紫
              なぞかけ  桃太郎の話を 「た」 抜きでリレー

團治郎さん、役者もやっているというまくらピンとこない。それと、健坊の話で逆に言ったところがあると思う。

次はちょうばさん、學校寄席のまくらから 「読書の時間」、これはよく受けてた。だけどこの噺、三枝・作の 「鯛」 や 「宿題」 同様噺のパワーがかなりあって普通に落語できるひとなら誰がしても面白い、そんな印象だ。将来的にも残っていくと思えるし、作者にかなり依存したネタかなと。

続いて紅雀さん、ざこばさんや南光さん、師匠連の楽屋での生態や酔っぱらい方なんかで大爆笑、だけど、こういうまくらは他の人に任せて、紅雀さんならもっと他の事で笑いをとってほしいなと。そこからネタは 「親子酒」 
今年になって 「かぜうどん」を聴いたばかりだけれど、この人の酔っ払いはやっぱり破滅的でいい。 高座で揺れる体のバランスをみているのも楽しい。これもまた芸だ。でも今日の紅雀さんは800キャパの客席を結構意識しているようにみえた。

中トリは南天さん、大阪のおばちゃん定番まくら、これはよく受ける。「知らんけど」 とか、完全版だ。
そして噺は 「火焔太鼓」、これも年末に聴いたことろだ。ネタおろしから一年すっかり南天落語のレギュラーになってるネタだけど、今日はやはり客席の反応が少し違う。普段なら鉄板的に受けるところが今一つだったりする。
「目いっぱいー」 とかね。僕らには当然面白いのdけど、やっぱり自分ひとりじゃないのがライブだから、客席の反応によって、楽しめるレベルも微妙に変化する。もうちょっとあっさりしてる方がいいのだろうか。

仲入り後は米紫さん、まくらで女性を演じるコツを実際やってみせる。これで客席の女性たちの心をつかんだ。
そこからネタは 「厩火事」、いつもながらうまいなあ。やっぱりこの噺はお咲さんの微妙な感情というか、兄さんに「別れてしまえ」 と言われて、一瞬表情が変わるところとか、客席の素直な反応が手に取るように伝わってくる。
そして、「宗論」 とは少し違うけれども、細かい所作で身体をずらしていくのが生き生きと感じる。今日は米紫さんが一番の出来だろう。

最後に大喜利、なぞかけと 「た」 を抜いて桃太郎の噺をリレーでつなぐというもの。
なぞかけからみなさんボケて爆笑が続く。そして後半のお遊びでは、先生の南天さんがハリセンを持ち出して容赦なくビシバシ。みなさん、南天さんへの恐怖から答えがなかなか出てこない。
笑点式の笑いをとることに重点おいた大喜利で、こういう大きなホールではやはりそうなる。僕はどちらか言うと、高津のようにシャープな回答が次々出る方が好きだけどね。でも南天さんの先生よかったな。

昨日今日と二日連続でこのホールで落語を聴いたわけだけれども、いろんな意味で繁昌亭やもっと小さい会場とは勝手が違ってネタ選びが難しくなってくるのだろう。僕はホール落語は好きじゃないのだけど噺家さんにとっては咲けて通れない状況になる人もいるわけで、そんな時に普段取り組んでいることが発揮されるのではないだろうか。