2016.11.25 【繁昌亭昼席】

【繫昌亭昼席】

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奈々福さん出番の繫昌亭昼席、月曜日以来になる。今日は前売りがかなり売れていたので、あらかじめチケット購入し、なんとか一階席を確保したいと思っていた。それで、開場直前に着くと、なにやら小学生の団体が天満宮境内から繁昌亭前に移動していて、昼席の列に並びだした。入場していくのを見ていると結局約70人の小学生たちが入っていった。そして整理番号の遅かった僕たちが入場すると、小学生たちはほとんど二階に上がっていて一階は比較的空いていていつもの席を確保できた。
これだけ小学生比率の高い寄席は僕は初めてだけど、それだけ演者の力量が試される、てことでもある。そんな意味でも楽しみになってきた。

愛染 / 動物園
壱之輔 / 平林
三風 / 桃太郎
伏見龍水 / (曲独楽)
扇平 / 看板の一
小春団治 / 冷蔵庫哀詩
仲入り
奈々福 / (浪曲漫談)
団四郎 / へっつい盗人
雀喜 / 老老稽古
塩鯛 / 替り目

壱之輔さん、「平林」は普通に達者でよく受けてた。でもやはり子供たちへの一言がほしかった。観てる側からすればそれで全然受け止め方が違ってくると思うから。

三風さんは上がってすぐに二階を見上げて子供たちのことを話題に。やっぱりこうでなくっちゃ。今日落語を聴いて興味を持ってもらったらうれしい。関西のお母さんの教育方針とか、そんな話振りながらなにをしようかと。今も子供の出る噺やったけど、やっぱり同じように子供の噺でと 「桃太郎」、当然よく受けてたけど、子供たちは大半二階にいるので直接反応が伝わってこないのが少し残念だった。

次は曲独楽の伏見龍水さん、最近よく遭遇する。二階には小学生だけでなく文福師匠もいらっしゃると。文福さんきっと開演前からあがって子供たちといろいろ話してたんだろうな。曲独楽も子供たちにきっと受けていたと思う。

続いて扇平さん、すごく久しぶりな気がする。「看板の一」だけど普通に上がって、普通に下りた。ネタの選択も含めてどうなのかなと。

中トリ小春団治さん、「冷蔵庫哀詩」、冷蔵庫の中にいるものたちを擬人化して色んな騒動が起きる噺で、前から名作だと思っている。キムコはんとか座薬はんとか、食べ物以外も出てくるけれど、これも子供たち意識してのネタ選びだな。この噺は、後下げもいいんだ。アイスとプッチンプリンが冷蔵庫内でデートの場所に困って……。
住む世界が違う。

仲入りで子供たちは帰ってしまった。でも多分楽しんだことだと思う。

そして奈々福さん、定式幕が開く前から三味線が聴こえてる。これがいいな。そして奈々福さんが座布団に座っている。「これからは大人の時間です」、でも子供たちに奈々福さんも聴いてほしかったな。
で、今日は曲師がいなくてひとりで三味線漫談だと。一般的な三味線の話、浪曲の三味線の話、いろいろしゃべり出した。合間に客席に言葉をかける。誰かが応える。そんな合いの手入れてると、客席からもおばちゃんが声をかける。奈々福さん受ける。そんなコミュニケーションが続く。これが普通に成り立つのも浪曲のいいところだ。
弾き出しの手とか外題付けとか、三味線での風景の描き方とか、関東節と関西節、太棹三味線のこと、啖呵と節など短い時間内に盛り込んで楽しく聴けた。最後に明日普通の浪曲をするので、ぜひ来てください、と。

次は団四郎さん、今日はたまたまか、仲入り後も子供に受けそうな人が揃っていた。
ネタは 「へっつい盗人」、喜六の奇声に途中からついていきにくくなったけれど、キャラ的には面白い。

雀喜さんはあがって師匠の話を始めた。まさかと思っていたら今日も 「老老稽古」 だ。やはり月曜日と同じで、最初は客席の反応鈍いんやけど、「えらいえろうならはって」 が出るたびに受けが大きくなってきて最後はかなりの爆笑。月曜より今日の方が受けは大きかったように思う。僕は知らないけど、クラブハリエのバームクーヘンでもよく客席沸いていた。ただ、前座ネタの内容をポンポンと並べるところはやはり受けない。ここはマニア向けだ。

最後は塩鯛さん、また酒の話、酔っぱらいの小噺始まって、まさか今日も「試し酒」と思ったら 「替り目」 だった。「試し酒」 は段々酔っぱらっていく様が見事だったけど、「替り目」のおやじは最初からベロンベロンで、その違い観るのも面白い。大概は 「お前まだおったんか」 で切るのだけど、今日はフルバージョン。で下げで 「替り目」の意味が分かる。いつも余裕の塩鯛さんだけど今日は熱演だった。

楽しい昼席だった。だけど子供たちに対応した人、しなかった人、いたけど、こんな機会に将来落語ファンになるかもしれない子供たちにアピールしないでどうすると思う。客席からみてたら、高座での真剣度の違いはとてもよくわかる。三風さんなんかt多分学校名まで出してたものな。