2016.11.14 【梅田にぎわい亭@大阪市立総合生涯学習センター】

 【梅田にぎわい亭】

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さて先週は文楽中心に過ごしていたため、一週間ぶりになる落語会は梅田の雀三郎一門会。2か月に一度のお楽しみだ。今回は先日 「NHK新人落語大賞」を受賞した雀太さんの凱旋落語会でもある。昼夜公演の昼の部に行ったのだけど雀太効果か早くから整理券の列ができていた。いつも楽しいこの会だけど、今日はどんなことになるのか。満員の客席は開演前からかなりの熱気だった。

雀五郎 / 二人くせ
雀喜 / 腕喰い
雀太 / 猫の災難
雀三郎 / 質屋蔵

雀五郎さん、トントンとリズムよく面白い。だいたいこういうサラッとした感じの噺。「二人癖」 をもっと面白くしようと思って 「四人癖」 ができたんだろうか。

続いて雀喜さん、意外にも 「腕喰い」、こんな噺もってるんだな。この噺、上方落語の中でも有数の不気味な噺だと思うのだけど、雀喜さんのは全然怖くない。こんな腕喰いは初めて聴く。普通にすれば怖くなりそうな噺がなぜそうならないのか。これも雀喜さんの個性、一つ一つの言葉をくっきりしゃべるのが理由か。なんか楽し気な腕喰いなんてそうそう聴けない。下げを言った時の雰囲気なんて能天気さすら感じた。

そして、今日の主役か、雀太さん登場。上がってまず、ちょっとかっこつけて、ためてから、NHKで優勝しました。どっと拍手がわく。しかも今年は東京開催で圧倒的に東京有利と言われてた中で、と。更に大きな拍手。そこですかさず、大阪の人こんな話好きでしょ、と。まあ、好きな人多いと思うけど、僕は雀太さんが勝ったから言うわけじゃなくて、十分勝機あると思ってたけどね。去年の佐ん吉さんでもそうやけど、大阪勢の方がきっちり落語して面白い人が残ってるから。
そこから最近は猫ブームでこの間も猫好きの人が集まるイベントに呼ばれて、猫の出てくる落語をやってほしい、と言われたけど、考えたら猫の出てくる落語はキツイ話が多くて、あげくに猫を食ってしまうというのまである。そんな中でこれならギリギリセーフかなというのがあって今日もそれをします。で、「猫の災難」
言うてへんけど、そんな感じやった猫が度々出てくる楽しい噺、この流れやと猫に大反撃されても落語的にはおかしくないと思うけれど、僕は相変わらず雀太さんのすこしずらす独特の間にひかれる。

最後は雀三郎さん、上がって第一声 「雀太効果ですな」、雀三郎さんもすごくうれしそうだ。雀太さんが優勝決まった後に雀三郎さんの名前出した時本当にいい師弟だなと思った。
そこからネタは 「質屋蔵」、この噺雀三郎さんでは、番頭と熊はんのダメさ加減が雀三郎さんらしくてグタグタにダメで楽しい。それにしても失礼ながら、このお年で高座でダイブをしはるんやなと。
雀三郎さんの面白さは分かってても面白い。期待通りの流れで、いつも面白い。ずっと聴いていたい人だ。
それと特定のネタ二あまりこだわっていないようにみえる。

今日は雀太さんありきだったけれど、揃ってレベルの高い一門で、もちろん師匠も含めてはずれのない落語会だ。次回は1月10日、正月そうそうだけど、これもまた楽しみだ。