2016.7.20 【笑福亭仁智独演会＠なんばグランド花月】
【笑福亭仁智独演会】
ＮＧＫだ。多分来るの20年ぶりぐらい。前はしょっちゅう通ってるけど、僕とは縁のないホールだと思っていた。
19時15分開演の18時50分開場と遅い。しかも時間が来てもまだ開けない。前に祇園花月ができて間のない頃もそうだったけど、前の公演がおしたのか、また、前でドヤガヤ感を演出するためなのか、他の落語会ではみられない光景だ。僕はかなり後者の要素もあるのではと思っている。実際に並んでる時にテンションが上がって来たのは事実だし、そんなこんなでようやく開場、開演となった。
たま / ショート落語～寿限無
仁智 / スタディベースボール
鶴瓶 / 山名屋浦里
仲入り
仁智 / ハードラック
たまさん、あがってＮＧＫ初めてだと。「この舞台に立つのが小さいころからの夢でした」。どこでも言ってるんだろうけど、今日は多少は本音だろう。そこからショート落語、定番ばかりずらりと並べて最初からとんでもなく受け続ける。これで客席には初たまの人が多いことが分かる。僕らは聴きなれたネタの破壊力を再認識することに。
でもたまさん、どんな高座でも、どんな状況でも、どんな出番でも確実に受け続けるのはすごいと思う。
今日聴いてまた大きくなったように感じた。
そして、仁智さん登場の前に、舞台が暗転してスライド上映が始まった。去年繁昌亭で上映したのと同じのだ。
去年はむちゃくちゃ受けたけど今回はそうでもない。そら去年繁昌亭行ってた人ほとんど今日もいるもんな。
そこから、たまさんいらったり、不倫関係の話したりで楽しかったけど、また野球の話になり、僕の中で状況が一変する。で、結局「スタディベースボール」。仁智さんの新作一作目で、いまだにいつもよく受けるんだけど、僕は完全に飽きていてこのネタだけは聴きたくない。飽きただけでなく最近は嫌いになってる。
なぜかというと、長年のタイガースファンの僕としてはいまだに1985年のうちのチームのことを持ち出されるのがいやなんだ。そして岡田のことを全然知らない人に植えつけられるのも気分がいいものじゃない。仁智さん近鉄ファンだから気にしないんだろうけど。
とにかく聴いてるのがしんどかった。
続いて鶴瓶さん、出てきただけで空気が変わるさすがだな。やっぱり人を笑わせる天才なんだな。
そこから噺は「山名屋浦里」。聴きたかった噺だ。
だけど正直鶴瓶さんの江戸弁が気になり過ぎて噺に入れなかった。江戸噺家の変な上方弁に抵抗感じるのと同じだ。それにタモリとか、勘九郎・七之助とか今日聴く落語とは関係ないもんな。そういう名前出すんなら、作者のくまざわあかねさんのことも言わないと、と思った。
僕は鶴瓶さんの「青木先生」とかの噺は大好きなんだけど、古典は違和感感じること多い。この噺は新作だけど、疑似古典、フォーマットは完全に古典だもんな。
話の内容も「紺屋高尾」とか「幾代餅」とかのよくあるパターンで、僕は心を動かされなかった。
そして対談、テーマは「笑福亭のこれからを話そう」
実は今日これが一番楽しみだったかもしれない。仁智さんと鶴瓶さんがこのテーマでトークしたらどれだけ面白いか。期待は大きかった。最初から六代目と仁鶴さんの話が続き、面白いんだけど僕が聴きたかったのは今の笑福亭の話、例えば福笑さんとか鶴光さんとか、若手ならそれこそたまさんとか、お互いのお弟子さんのこととか。
まあ、マニアックすぎるかな。でも最後に笑福亭の今後について何か譲り合っていたのはおかしかった。
今は二人とも協会副会長で、今後の笑福亭は二人のうちのどちらかか両方で背負っていくということなんだろう。
仲入り後仁智さんもう一席。考えたらこういう規模のホール落語はたいがいネタが出てるもんな。今日は全員ネタ出しなしで、二席目何が？ ていう気持ちが客席中に満ち満ちていた。
そんな中で 「ハードラック」。これも何度も聴いてるけど全く飽きることを知らない。いつも大爆笑だ。
死にたい男が何をしても死ねない。で、もうあきらめて前向きに生きようとしたら人を殺して死刑囚になる。で場面は死刑執行のその時、電話が鳴る。「源太と兄貴」とかと同じリピートネタなんだけど、分かってても面白いというのがこれでもかと繰り返される。で、下げもいい。
見事に今日を締めた。
まあ、ちょっとすっきりしないところもあったけど、最初と最後が爆笑だったからよしとしよう。
それにつけても今日はたまさん、こういう場所でも普段と変わらない高座で、普段以上に受け続けるのはすごい。
今日の収穫はＮＧＫのたまさんだ。
そして、仁智さんのネタはことごとく大爆笑なんだから、もっといろんなネタした方がいいと思うのだけど。
