2016.7.16 【第91回・千朝落語を聴く会@太融寺本坊】

【第91回・千朝落語を聴く会】

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2か月に一度開催のこの会、千朝さん二席にゲストと開口一番の四席、仲入りなしでサクッと終わる。短い時間でいつも満足度の高い会だ。そして今日はゲストが南天さんということで、普段はこの会にこない女性も目立つ。いつも以上に足が早くてフルスペース使っている広い本坊がほぼいっぱいだ。
そして今日の開口一番は、これも期待の若手、小鯛さん。元気よくスタートだ。

小鯛 / 看板の一
千朝 / 住吉駕籠
南天 / 遊山船
千朝 / 千両みかん

小鯛さん、最近は出身の岡山でラジオの帯をもっているからか一時よりは落語会での出番が減っているように思える。でももちろん勢いが落ちるわけもなく 「看板の一」。
江戸弁と上方弁が応酬する噺てのは案外珍しい。しかも 「江戸荒物」のようにギャグ的な処理でなく、普通に会話として成り立っているケース。リズムはよかったけれど、江戸弁の語尾が少し不自然だったか。

千朝さん、一席目は水戸黄門とかいつもの時代劇ギャグ炸裂した後 「住吉駕籠」。
お袖の酔っ払いの浄瑠璃の件がかなりしつこくていい。そして、米問屋の相場師を乗せた後の駕籠かき二人のリズムがいい。押し方、押され方の呼吸が観ていて楽しい。
これ、かなり長い噺で、ロードムービーの逆というか、自分たちは動かないで次々と登場人物が変わっていく。
そんで、その都度二人のキャラが少しずつ変わっていく。その辺が難しいのだろう。

続いて南天さん、「千朝兄さんの会に出させていただくとはモンドセレクションの金賞をいただいた気分です」
でもこの会に出るゲストの人はみんなこういうセリフから入るな。かなりの部分で本音なんだろうな。
で、天神祭の船渡御は仕事で乗ったことあるけど、個人的に乗るととても高いと言う話から、庶民は難波橋からの夕涼み、てことで 「遊山船」 .  もう南天さんで鉄板やけど、南京豆の件で一段とヒートアップ。今日は5回リピートやった。普通は4回まで。喜六顔まね面白い。下げまで堪能した。

最後千朝さん、伊勢志摩サミットの食事についてチクリチクリ。確かに各国首脳には立ち食いうどんの方が受けると思う。そこから食べ物の旬の話になって 「千両みかん」。
これも好きな夏噺、聴きどころはあたふたする番頭の姿、千朝さんのはどちらか言うとそれほどわちゃわちゃしてない。どこかでなるようになると思ってる気がする。振り回されまくりながら、ゆうても番頭。
で、下げの不条理さを考えると、そんなシニカルな部分が少しくらい入っている感じがいいのではと。

ということで、今日も楽しかった。この会はゲストが誰であろうと、客数や雰囲気があまり変わらない会なんだけど、今日はちょっと変化あり。それだけ南天さんに勢いがあるということか。