2016.7.15 【いきなり九雀の日@岡町・伝統芸能館】

 【いきなり九雀の日】

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不定期開催のこの会、といっても最近は2か月に3回ぐらいのペースで開かれている。そして、九雀さんの落語以外のもうひとつ楽しみは、東京の色物さんがよく登場すること。繁昌亭の昼席とかに出演してる時、夜に九雀さんが岡町まで引っ張ってくる。これがなかなか楽しい。今日は二重丸、珍しい男女の太神楽曲芸だ。

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方気 / たけのこ
九雀 / 厩火事
二重丸 / 太神楽曲芸
九雀 / 仔猫
(三味線) / 岡野鏡

方気さんは二度目、「たけのこ」はあまり掛からないけど落語らしいネタで僕は好きだな。割とあっさりめの口跡でそれがいいのかもしれないけど、この会の開口一番ならもう少しパワーがほしいところだ。

九雀さん、上がって「今月の九ノ一」。前座が九ノ一さんでないのは、ネタがあがらなかったから。1月に入門してから、発端~煮売屋~平林ときて今ちょっと停滞中らしい。ネタが20と大阪ネイティブの言葉を習得するのが年季明けの条件だと。なかなか厳しいと思うけど楽しみだな。
だけどやっぱり、お弟子さんが入ればその噺家さんも変わってくると思うし、みなさんとっていただきたいな。
そこから噺は「厩火事」。九雀さんでは二回目だけど、お咲さんがいい。何やかや言いながら兄さんにのろけてるだけてのがかわいくていい。所作や表情ももちろんいい。明るくて楽しい九雀さんの落語にはこういう女性が欠かせない。

続いて、東京からの大神楽・二重丸。ここで何度かみてると思っていたけど、5年ほど続けてこの時期に繁昌亭昼席に出ているらしい。男女コンビの太神楽てだけでも珍しいけど、結構美男美女で舞台がとても華やぐ。
かつ、こういう祝祭的な芸事はみているとテンション上がるので寄席や落語会の色替わりには欠かせない。
それにしても太神楽、見事な芸だ。

九雀さん最後は「仔猫」。当時はこういうことがあると信じられていたのか、また本当にあったのか。どちらにしても現在よりはずっと身近な話だったのが落語になってる由縁だろう。
おなべの笑い声が怖かったな。それがとぼけた田舎言葉と対照的になっておなべの不憫さにつながる。
噺としては嫌いじゃない。下げの後、おなべがどうなったかが気になるのはいつものことだけど、あの番頭の様子なら引き続き雇ってもらえたのではと想像する。

次回は九ノ一さんを聴けることに期待しよう。それと岡野鏡さんの三味線が今日もいい音出ていた。九ノ一さんと合わせて九雀ファミリーの将来が楽しみだ。