2016.7.6 【十一会~平成11年 入門初めての同期会@繁昌亭】

【十一会~平成11年 入門初めての同期会】

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平成11年入門4人の初めての同期会ということでやってきた。僕にとっては4人とも聴きたい人なのですぐにチケットをおさえた。だけど、この4人がどうからむのかは想像がつかない。

口上 / 南湖、まん我、卯三郎、吉坊
華紋 / 普請ほめ
南湖 / 五郎正宗孝子伝
まん我 / 船弁慶
仲入り
卯三郎 / 蟇の油
吉坊 / そってん芝居

口上では終始かみあってないけど楽しそうな様子で、とにかく南湖さんが同期会をしたかったと。13年前に年季明けて集まった時もそれが目的だったけど、結局やらないことになった。
南湖さんは講談だし、後の噺家三人も色は全然違う。更に年齢も違う。
そんな中で、なんとか来年もできればいいね、と言って口上を締めくくった。

この後開口一番は安定の華紋さん、4人の楽屋風景の空気なんかをネタにして 「普請ほめ」。何度も聴いてるけど確実に笑いをとる。今日のように冒頭に口上のある場合、客席はすでに温まってるわけで、開口一番というよりつなぎだから、温まった空気を冷やすことはだめなわけで、普通の開口一番よりも難しいだろなと思っていた。

で、4人の中の最初は南湖さん、どうしても「できちゃったらくご」で聴くことが多いので、新作の爆笑講談中心になってしまってるけど、今日は正統な「五郎正宗孝子伝」。先日「大丸屋騒動」を初めて高座で聴いた時、新治さんが言ってた「身を守る刀と人を斬る刀」。妖刀村正に対する名刀正宗の話だ。こんなきっちりした南湖さんもなかなか凛々しくていい。

中トリはまん我さん、まくらなしで「船弁慶」。冒頭の塩の場面、「買った塩積み上げてずっとなめとけ」ていう清八が独特で面白い。そして雀のお松の登場シーンで大炸裂。ここはこれぐらい派手にするのがいい。後お松さんでは、後ろにいるの知らずに清八の悪口言い倒した後、いるのに気づいてから振り返るまでの間が好きだな。
そこからおなじみの知盛、弁慶の下げまで大熱演だった。

仲入り後は卯三郎さんから、大学出て岡山で獣医をしてて、しかも公務員で、そこから29才で噺家になったと。その理由も聞きたかったな。
で、ネタは「蟇の油」。これもよかった。流れるような立て弁、リズム、表情、所作、全部聴いてて気持ちよかった。特に所作の大きさが際立っていた。それと後半酔っぱらってからの対比がすごく面白い。

最後は吉坊、カメラが入っていてシャッター音がすごく気になったんだけど、まくらの間だけだったのでなんとか許容範囲かな。
「そってん芝居」は吉坊で2回目。もちろん吉朝さんが米朝さんに言われて一度だけやったていうネタで、この噺の再現はなかなか大変だったのではと思う。
でもやっぱり、後半の下座の音だけで無言で髪を結うところが圧巻。頭がみえる、だけでなく、頭が出来上がっていくのがみえる。そんなすごいシーンの後があれなんだから。しかも更に下げに向かっての駕籠の中の展開。落語らしいといえばそうだけど。この辺りがわけのわからない噺ていわれる理由だろう。
この噺にはすごく興味が出てきたので、もうひとりやっている文我さんのもみてみたい。

てことで、なんやかんやいいながらも、いい会、気持ちのいい会だった。打上げでどんな話になったか分からないけど、ぜひ来年以降も続けてほしいな。
それと、トリイホールで、まん我・吉坊・南青の三人でやってる「浪花三座会」もまた行ってみようと思っていた。