2016.6.25 【第75回・全日空寄席公開録音@朝日生命ホール】

【第75回・全日空寄席‐公開録音】

以前から何度か行ってる全日空寄席、もちろん機内で提供用の公開録音だ。こういう場合普通は抽選となるところだけど、全日空の場合はちゃっかりしていて、3000マイル使って先着順だ。いつもなかなか興味深いメンバーなので、すぐ申し込む。でも少し考えると、伊丹⇔羽田が基本12000マイルなので3000マイルは高いかなtとなる。
で、今日行ってみると350キャパの会場に知ってる人が一人もいない。いつも落語会で顔をあわしてるけど話はしないという人も含めて誰も知らない。
結局マイルいっぱいあるから別に3000マイルや6000マイルぐらいどうってことない。そんな人たちがあつまっているのだろうか。とか、きょろきょろしながらいろいろ考えてたら開演のベルが鳴った。
そして、幕前にいきなり英華さん登場。おおっ、と思ったけど、そら全日空寄席だもんな。いつもの調子で注意事項とか言いながら、結構客席をつかんでたように思う。
でも昨日の文楽劇場とは対照的にPAのボリューム大きすぎないかな。

喬若 / いらち俥
春蝶 / 権助提灯
福笑 / 桃太郎
仲入り
南天 / 動物園
ざこば / 笠碁
(三味線) / 内海英華

喬若さんから。ボリューム大きすぎる。でも聴き取りにくいよりはましだ。天満駅のトイレに子供と一緒にやらかしたこと爆笑。でもそれは仕方ない。
で、ネタは「いらち俥」、この間も聴いたところだけど、今日の方が二人の車夫の違いが際立っていてよかった。

続いて春蝶さん、東西不倫の話に続いてこの世界は50まで若手だと。それは確かにそういう構図になっている。特に真打制度のない上方は。そんなとりとめもない話が続くんだけど、この人の語りかけるようなまくらは新鮮だ。そこから「権助提灯」。僕が聴く春蝶さんの噺は「紙入れ」とかその手の噺が多い。で女性の表現が極端に走るんだけど、慣れると癖になるかもしれない。後、今日はもみじの広島弁がツボやった。

中トリは福笑さん、最近声が不調に見え、昨日の独演会はホールの音響の悪さもあって、福笑さんの落語ではかつてないほど楽しめなかった。だから正直今日も不安だったけど、見事に吹きとばしてくれた。
「桃太郎」 昨日より大分後ろだったけど、声はびゅんびゅん飛んでくるし、所作はダイナミックだし、鬼ヶ島に渡ってからが大スペクタクルだし、その割に下げが普通なのが福笑さんらしくていいし。大満足だった。

仲入り後は南天さんから。最近よく出る小噺連発のまくらで受けた後、予告通り 「動物園」.。
それほど聴いてない。まだ4回目だ。チャックとかいろんな歩き方とか細かいのがいろいろ入ってる。
そして、トラ・ネコ・イヌ・カバ・ワニ、やったか、もちろんここで爆笑。「動物園」は南天さんがとても楽しそうなのがいい。ある意味貴重だった。

次は漫才のくにお・とおる。もちろんライブでは初めてだ。以前テレビでよく観ていたころとそれほどかわらない。
大阪で長年活動してるけど岩手出身だと。「ここで笑わないと笑うとこないよ」 が決めゼリフだった。
でもこれ今も噺家さんが高座でよく言ってるよな。
今日一番楽しかったかもしれない。東京の寄席の色物は、このクラスの人結構出る。繁昌亭昼席はやっぱり色物の充実も必要だ。

最後はざこばさん、人情噺をするみたいなことどこかに書いてあって、勝手に「子は鎹」かなと思ってた。
そしたら碁の話になって、孫と一緒にやってると。こうなるともう「笠碁」しかない。
1月の「南天しごきの会」で聴いた時絶品やった。
死活問題・白黒つける・駄目、など囲碁からきて一般的に使われるようになった言葉も多いそうだ。
ざこばさんの「笠碁」 は碁がたき二人の仲の良さが異質で、ひょっとして LOVE ではないのかと思えるほど仲直りが嬉しそうだ。まあ、ある意味友情と愛情は紙一重だしね。今日もよかった。

ということで、なかなか豪華な番組の全日空寄席は終了した。落語に限らないけど本当に音響の悪さがストレスにつながるライブは何とかしてほしいと思う。
あと、細かいけど景品が以前よりしょぼくなってたな。