2016.6.22 【サンキンとキチボー~桂三金と桂吉坊の落語を聴く会@繁昌亭】

【サンキンとキチボー~桂三金桂吉坊の落語を聴く会】

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そういえば前回は12月だったこの二人会、5回目の開催で2回目からずっと来てる。最初から [どういう繋がりだろう?」と思ってやって来て、会が終わってもよくわからない。毎回それが続く。でもやめずに来続けてるてことは多分楽しいんだろう。僕が行ってる二人会の中ではなかなか異色な会だ。何が飛び出すとかいうよりあまり何も飛び出さないような会だ。さて今日はどうなるのか。

染八 / 蓮の池クリニック
三金 / お菊の皿~踊り
吉坊 / 仔猫
仲入り
吉坊 / 稲荷俥~踊り「紀伊の国」
三金 / 赤とんぼ

冒頭のトーク、吉坊に続いて染八さんと瑞さんが登場。 三金さんの着替えがまだ出来上がっていないらしい。
わやわやとそんな話をしてるうちに三金さん出てきた。で、「どういう繋がりの二人会や」とよく聴かれると。吉坊も同調するけどいつものようにそれ以上話を膨らませない。いつもここから入る。
そして、今日は怪談噺マッチだと。「お菊の皿」と「仔猫」がネタ出し。あと二席は何が出るのか楽しみだな。
そして今日は二人とも踊りつきらしい。

で、一席目は染八さん、「蓮の池クリニック」は昨日も話題にしたけど、福笑さんの新作。寺の住職が息子を医者にして敷地内に病院をつくる。そしてファイヤーセンター、メモリアルホールと多角経営に向かう。
もちろんネタとしてはとても面白いんだけど、やっぱり福笑さんのネタはあの人の個性に支えられてる部分が多いと改めて感じた。

三金さん、一席目は「お菊の皿」。三金さんがすると、お菊の可笑しさや可愛さが強調され、て怖さが奥に引っ込む。でもそんなのがいい。
下がったあと、吉坊出てこない。めくりも三金さんのままだなと思っていたら。私服に着替えた三金さん登場して、踊ります。なんと SPEED の 「BODY&SOUL」だ。これがまた抜群に切れてる。受けまくって下がった。

続いて吉坊、テレビみないので今の曲知らないと。楽屋でいろいろ聴いてたみたいだ。
一席目はネタ出しの 「仔猫」 。吉坊では初めてだけど、表情が怖い。覗かれたお鍋が笑うところ。何か見られたと気づいたところ。でも勘違いしたお鍋を全否定する番頭のアクションはおかしい。
江戸時代にはこういう話はある程度本当に近かったのだろう。最近の猫ブームで避けられないか心配だけど、過去の風俗が落語に残ってる貴重な噺、演者の力量問われる噺でもあるし、これからも皆さん掛け続けほしい。
でもこれ聴く度に下げの後思うのは、お鍋結局どうなったんやろかと。やめなくてすんだと思いたい。 

仲入り後は吉坊もう一席、高津神社の高倉稲荷の話がでてきて、「稲荷俥」だ。
これ好きな噺、俥の客が「わしは人間やない。産湯のつかいやから安心して走れ」とさらっと言うところがまた怖い。それを乗り逃げだと冷静な嫁。金が出てきて墓穴をほる客の男。結構場面転換やポジションの転換の多い噺。これもスパンと噺をきってさらっとさげる。
しかし、吉坊の怪談噺これまであまり聴いてないけど上手いな。またいろいろ聴きたくなった。
続いて踊りは三金さんとは違って「紀伊の国」いろんなお稲荷さんがでてくる。いつもながらこれも上手だな。

最後は三金さん、「赤とんぼ」だ。三枝・作で、実はこの噺ライブでは初めて。唱歌と童謡を歌いまくる歌ものの傑作だと思うけど、歌ものは避ける人も結構いるので掛かることそれほど多くない。中でも春夏秋冬の唱歌を何順も歌い続けるところがいいな。間違って覚えがちな歌詞や、その歌詞の解説。うんちく噺でもある。
三金さん踊りだけでなく歌もうまい。かなりインパクトのある噺だ

てことで、この会ずっときてるとじわじわと楽しくなってきた。多分当分続きそうな感じなのでこれからも楽しく通いたいと思う。