2016.6.3 【文之助倶楽部@繁昌亭】

【文之助倶楽部】

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「文之助倶楽部」は定期的に開催される勉強会ということになっているのだけれども、襲名以降はすっかり年一度の開催が定着している。以前はトリイホールで年に数回開かれていた。文之助さんやっぱり襲名後高座数が減っている。僕としてはもっと落語をしてほしいところだ。

文之助 / 文之助四方山噺
慶治朗 / みかん屋
文之助 / マキシム・ド・ゼンザイ
竹林 / お花半七
文之助 / 宿屋仇
ミニ抽選会

最初の四方山噺は、先日のらくごビレッジ同様に平均寿命、健康寿命の話からスタートし、文之助さんも今年の誕生日で60才還暦を向かえた。そして今日のゲストの竹林さんとは同い年だけど、繁昌亭できて昼席出番で一緒になるまでほとんど付き合いがなかったと。その時の印象は「笑福亭にしてはちゃんとしてる。」だったらしい。
そんな文之助さん、入門40年超えてるけどまだ先輩が40人もいるから通夜に40回行かなあかん。上がつまってる。いつもどおりとりとめもない話でスタートした。

最初は慶治朗さん、米團治さんの3番弟子だ。今まで何度か聴いてるけど割ときっちりした落語するし、表情も愛嬌がある。今はそれで十分で個性はこれから少しずつ出していけばいい。

文之助さん、一席目は「マキシム・ド・ゼンザイ」。「ぜんざい公社」を小佐田さんが改作したということだけど、ぜんざいネタがつながっているだけでほとんど原型を留めていない。ぜんざいをフレンチのフルコースに見立てて胸の焼けそうな料理が次々登場する。
僕は、マキシム・ド、の方が好きだし、とんでもない料理をさらっと繰り出すのは文之助さんにぴったりだ。

続いて竹林さん、大美に行かなくなってから相当久しぶりだ。最初に文之助兄さんと同級生ということは私もこの間60才で還暦を向かえた。兄さんと繁昌亭の楽屋で会った時は「米朝一門にしては面白いと思った」と。
コール&レスポンスだな。こういう風に笑福亭と米朝一門はいつもシャレ半分でやりあっている。
そこから夫婦のなれそめ、かなり際どいことを恥ずかしげもなくいってた。でも微笑ましかった。
噺の「お花半七」は「宮戸川」のこと。凄惨な後半は喬太郎さんでしか聴いた事ないけど、今日は前半のまだ半ばまで。もう少しやってほしかった。僕はこの噺、前半も単なる恋愛噺じゃなくて、後半の凄惨さにつながる空気みたいなのがあると思ってるんだけど。

最後は文之助さん、この会前から仲入りなしなんだ。
ネタは「宿屋仇」。これも好きな噺でよく聴いてるけれど、いかにも難しそうだ。登場人物多いし、場面転換多いし、その割に繰り返しもあるし、下座との呼吸も必要だし、声をあげたり絞ったりとかもあるし。
で、一番目立つのは「伊八ーー」の掛け声、文之助さん最初あれ弱いのではと思ったけど、すぐに声が上がってきた。そういう演じ方だったのかな。それと三人組のわちゃわちゃ感が文之助さんにしてはおとなし目かなとも思った。終盤はリズムにのっていい感じに仕上がってた。
終ってから抽選の準備中に、ネタおろしでしたと。ネタおろしはある程度のところで掛けて客前で仕上げていく人と、ほぼ完成形に近い形で出す人といて、文之助さんは後者だと思うので、わざわざ言われないとなかなか気づかない。

最後に今後の予定を言われてて、もちろん心斎橋劇場の独演会とか行くつもりだけど、最初にも言ったようにこの勉強会の開催頻度を以前のようにもっと上げてほしいところだ。