2016.5.24 【ふくまる研鑽会@天満橋・常盤寄席】

【ふくまる研鑽会】 

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天満橋の北詰を少し西へ行ったところに常盤薬品の10階建てぐらいのビルがある。その5階が常盤寄席という名前で一応常設の寄席スペースになっている。そしてそこで若手の会を中心に落語会が開かれている。今日は福丸さんの会、この会も来るの初めてなんだけど、そう午前中にハルカスでも聴いた。今日は昼夜福丸さんだ。
そしてもう一つこの会に来たわけはゲストの染雀さん、最近染雀さんの落語をとんと聴いていないので久々に聴きたくなってやって来た。そして、僕らでも初めての会は多少は緊張する。

二葉 / 牛ほめ
福丸 / 元犬
染雀 / 七段目
仲入り
はやしや香穂 / 三味線指南
福丸 / 猫の災難

二葉さん、最近よく登場する白木みのるまくらも今日は今一つ受けず。客席の微妙な年齢層によるのだろう。
ネタは「牛ほめ」。いつものようにリズミカルに進む。珍しく下げまで。動楽亭で始めた会の客入りがよかったらしいけど、これというネタがほしいところだ。

続いて福丸さん、この会への電話の問い合わせがあり、先方は本人とは思わずに話していてその内容が、二葉さんはなにをされるのですか、というものだった。今日はいつもより男性が多いのは二葉さんのファンの方ですかと。そらそういうkともあると思う。
一席目は「元犬」。最近大阪ではアレンジ版の「元猫」が人気だけれども、元犬も動物が主人公のほっこりとするいい噺で、かつ面白い。大阪ではそれほど掛からないけれど、福丸さんのおだやかな雰囲気にとても合っていてまた聴きたくなる。
でも、犬が人間になっていろんな矛盾がどう処理されるのかとか、実は結構深い噺なのかもしれない。

中トリは染雀さん、今日一番のお目当てだ。「国境なき芸能団」てのを鶴笑さんたちと組んでドミニカへ行った時の話で爆笑。そして姉キンでシンガポールへ行った時、現地で受ける曲をしようということになって、現地在住歴のある鶴笑さんの弟子の笑子さんに聞いたところ、それなら国家だと。で、あやめさんと二人シンガポール国家をステージで歌ったらみんな直立で歌いだして、後で主催者から大目玉をくらったと。
今日はせっかく覚えたのでそれを歌います。とのことで、三味線で弾き語りが始まった。とりあえず大阪でも受けていた。
そこからネタは芝居噺が好きだと「七段目」。これが見事な大熱演。染雀さんはどんな時にでも落語に手を抜かない。特に芝居噺はやってるうちにますます白熱してくる。今日も定吉と若旦那の掛け合いがとても気持ちよく聴くことができた。姉キンやはなしか宝塚ももちろんいいのだけど、染雀さんにはもっと落語をしてほしいといつも思っている。

仲入り後は、告知ではなくプログラムにあった香穂さんの三味線指南。だけどまず三味線なしで上がってきた。その訳は、染雀さんが出囃子を弾いていたから。香穂さんなにか三味線が届いてようやく落ち着いた感じだ。
この人が毎年はなしか宝塚で活躍しているのは有名な話だけど、それ以外でこういう形で前に出るのは僕は初めてみた。この会では何度かこういうことがあるらしい。
三味線ではよく似た出囃子をみっつほど。福笑さんとたまさんのも似てると思うのだけど。
そして、同じ曲で歌詞の違うハメモノをいくつか。楽しかった。
やっぱりしゃべりができないと難しいので誰でもというわけにはいかないだろうけど、もっと聴きたいなと。

最後は福丸さん、「猫の災難」。今日は牛に犬に猫と動物噺が続きます。でもこれはやっぱり酔っ払いの噺。福丸さんで酔っ払いの噺聴いたことはほとんど記憶にない。でも上手かった。なんやかやで一人で飲み続ける男がへべれけになっていく様が見事におかしい。でも落語でみてると不自然に感じないけど実際の酔っ払いは少々酒癖の悪い人でも落語みたいな酔っぱらい方はしないよな。だから大げさにデフォルメできるんだろう。

福丸さんを今日一日で三席聴いて、噺のバリエーションも広いし、イメージと違う様も演じるし、あまり固まった印象を持つのはだめだなととても感じた。機会があればこの会にもまた足を運びたい。