2016.5.18 【落語の落後の楽語@肥後橋・玉水記念館】

【落語の落後の楽語】

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とある宗教法人のホールで毎月平日15時から開催されている落語会、偶数月がかい枝さん、奇数月が吉弥さんがレギュラーになっている。以前たまたま近くを通りかかった時にこんな会があるんだと思って飛び込んで以来だ。写真のように宗教法人だけあってかなり立派なホールのすごい高座。毎回三席1000円。サクッと落語を楽しむにはちょうどいい会だと思う。

鞠輔 / 桃太郎
まん我 / 寝床
吉弥 / ねずみ

鞠輔さん、この間「七段目」聴いた時も言ったけど、すごく基本に忠実で聴きやすい高座だ。かつ愛嬌のあるキャラも出来上がっている。正直入門当初はかなりしんどいな、と思ったけど、やっぱり師匠の指導力の賜物なのか。若手同士の会とかにもっと絡んでいってほしいなと。

続いてまん我さん、友達の上司が落語教室に通っていて忘年会で部下の前で披露した噺が「悋気の独楽」でひんしゅくものだと。落語ファンならここまでのまくらで今日のネタは当然分かる。
「寝床」だ。まん我さんで「胴乱の幸助」や「豊竹屋」は何度も聴いているけど「寝床」は初めてだ。
何といっても旦さんが浄瑠璃の稽古で発する奇声が面白い。でもそんなにしつこい「寝床」ではない。
下げの「そこが私の寝床です」のところ、寝床の前に一呼吸おくのが僕は好きだな。

最後は吉弥さん、一緒にラジオやってる桑原征平さんが先週倒れた話から。そんなに時間置かずに復帰できるのではと。そこから今の朝ドラの歌を歌う。宇多田ヒカルは実はファンなんだけど、テレビ見てないのでどんな歌か知らない。吉弥さんのからは想像もできない。今日はワンコーラス以上歌ってたけど、長く歌うのならなんかシャレがないとなと思う。
そこから噺は全然関係ない「ねずみ」。吉弥さんの落語は熱くならないのが特徴だから、これもあまりいやな噺に聴こえない。一応ハッピーエンド的に収まるのは分かっていても、前半かなり憤慨させる。文楽や芝居ならそれでいいのだけど、落語ではそういう噺にはいまひとつ入り込めない。だから吉弥さんのような仕上げ方の方がゆったりと気持ちよく聴ける。

大阪では平日昼間の落語会は繁昌亭・動楽亭、定席の昼席以外はあまりない。だから貴重な会で、それなりの年齢層の方多いけれどよく見る落語ファンとも結構会った。時間があえばまた来たいと思う。