2016.5.15 【梅田太融寺南天の会@太融寺本坊】

 【梅田太融寺南天の会】

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南天さんの会は、今は毎月開催だけれども、偶数月は動楽亭、奇数月はここ太融寺での開催になっている。
今日は1月の「しごきの会」でネタおろして以来 (なのかな) の「たちぎれ線香」再演とあって客足はかなり早かった。最近の南天さんはネタおろしから何度かで確実に噺を南天色に染めているので、たちぎれもとても楽しみだった。

あおば / 宿屋町
南天 / たちぎれ線香
仲入り
しん吉 / 長尾さん
南天 / 千両みかん

あおばさん、京都で激辛チャーハンのレポートの仕事した話から、「宿屋町」。
イケメンて言われてるけど全然しゅっとしてなくて、最近はむしろぼけっぷりが愛されてる感じ。落語も段々クサくなってると思うけど、かっこいいお兄さんがクサく演じてるようにみえる。どちらにしてもギャップが目立つわけで、やっぱりイケメンで損はしないなと。

続いて上がった南天さん、先に「たちぎれ線香」をします。普通ならトリネタなんですけど、終った後もまだまだ外は明るくて天気がいいので、楽しく帰っていただくためにこの順番にします、と。細やかな気遣いだ。
そこから、今日は午前中町内会の公園掃除があって、奥さんの都合が悪かったため南天さんが参加。男が一人だったので、力仕事とかしながら 「今日、たちぎれやぞ」とずっと思っていたと。
やっぱり、この噺下げ前の若旦那の独白のところで聴き手が演者にどれだけつかまれるかだろう。そんな意味では南天さんのたちぎれはこれからもっと心をつかんでいくんだろう。
やっぱり上方落語会では特別なネタで、次聴くのが楽しみだ。

ここで仲入り入れて次はしん吉さん、上がって 「休憩あったとはいえ、たちぎれ線香の後にしゃべるの珍しいです」。そうだろうな。たちぎれでケータイが鳴る伝説から、師匠吉朝が電話を持たなかった話から、ケータイがテーマの新作 「長尾さん」。ちょっと調べたら、くまざわあかねさんの作らしい。
久しぶりに学生時代の同窓会の打ち合わせで会った二人、片方が電話に出倒すためなかなか話が進まない。で、一方がきれて目の前の相手に電話して話だすというもの。よく出来た噺だけど、今なら伝達手段いろいろあるのでこんなに頻繁に電話しないな。ケータイ普及当初の噺がもう過去の空気になってくる。

で、最後は南天さん、「千両みかん」。出だしの番頭が、「崇徳院」のくまはんみたいだった。南天さんではあまり聴いていないけれど、えらくクサくてしつこい仕上がりに感じた。面白いんだけどね。中でも爆笑は、番頭の落語ファン疑惑で、あれは「無いもん買い」してるのではという件。こんなくすぐり思いつく人ちょっといないと思う。
他の「千両みかん」とはかなり味わいが違っているけど、南天さんの場合しばらくしてなかったネタかけると、それから続く傾向あるので、この噺もこれからどうなっていくのか注目しておく。

てことで、今日の南天さんは珍しく商家もので先で楽しみな大ネタ二題。どんな風に変わっていくのだろうか。南天さんのネタの変化のプロセスがみれるのはとても楽しい。
この会、来月は動楽亭で 「算段の平兵衛」。これもまた楽しみな噺だ。