2016.5.14 【談四楼独演会@動楽亭】

【談四楼独演会】

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談四楼さんの独演会に行ってきた。初めてだけど、行ったわけは以前東京で本当の深夜寄席てのに行きそびれたことと、twitter があまりにも面白いから。今日再発売という 『シャレのち曇り』 を買ってサインしてもらった。
僕が東京に行った時は、特に目当ての会のチケット確保するというより、その日の寄席の番組みてからどこに行くか決めること多いので、どうしても立川流の人は聴く機会が少なくなる。
そんなことで、今回動楽亭という、僕らにしたら非常になじみのある場所での独演会開催なら行くしかない。
何を聴けるのかがとても楽しみだった。

りょうば / つる
咲之輔 / 片棒
談四楼 / 井戸の茶碗
仲入り
談四楼 / 一文笛

まずりょうばさんから。以前プロになること決意したりょうばさんに対して、談四楼さんが twitter でおくったメッセージがとても印象的だった。
そんなつながりもあっての今日の開口一番だろうけど、りょうばさん聴くのは今年1月の初高座シリーズ以来だ。
噺は「つる」。二列目だったので表情の変化がすごくよく分かった。喜怒哀楽がよく変化する。声も気持ちがいい。血筋がどうこう抜きにして、デビュー間もない修業中の噺家としてこれほど先が楽しみな人そうはいない。

次は咲之輔さん、三代目の話、稽古つけてもらった話、一門ならでは。本当に財産だな。この流れだと今日その噺するのかと思っていたけど、違っていた。
「片棒」は聴く機会結構あるけれど、案外かける人の数は少ない。しかもほぼ米朝一門の印象が強くて、春団治一門ではかなり珍しい。三兄弟同じことの繰り返しなので、そこに変化をつけてリズムよく運ぶネタだと思っている。咲之輔さんもトントンといい感じだったけど、声がこのネタには少し重いように感じた。

そして、いよいよ談四楼さん登場。同年輩のサラリーマンの友人が定年を迎えている。で時間と金があるから趣味でもしようかとなった時に、はまりやすいのが蕎麦打ちと陶芸らしい。で、周りが迷惑すると。でも陶芸ですごいのは細川元首相で個展では高いものから売れていきいつも完売らしい。
そこから、噺は「井戸の茶碗」。なるほど、器の話と細川の殿様、よくできたまくらになる。スマートで江戸らしいな。
この噺、元々江戸落語だけど、上方でもかなり浸透している。談四楼さんのは冒頭の件とか、細かい点がかなり省かれていたけど、独自のスタイルなのだろうか。それはともかく、これはいい人しか出てこない落語らしくて気持ちのいい噺なんだけど、談四楼さんの語りがまたそれを増幅していた。

中入り後、なんだろうと思っていたら、上方リスペクトの噺をします、と言って、米朝の功績、米朝談志の関係、また別の松鶴の話と展開して、「一文笛」。米朝さんは明治の設定だったけど、江戸時代に移した。そして舞台も上方から江戸に移す。
で、正蔵さんもやってると少しいらって噺に入る。しかし、江戸の噺家さんはよく正蔵さんをいじるな。上方で言えばみんな米團治さんをいじるようなものだな。うん間違いない。
そして 「一文笛」 これはよくできている。すっかり江戸噺になっていた。まあ、元々上方臭さの少ない噺ではあるけど、本当に自然に移したように思えた。
ただ、個人的には肉体的に痛い部分のある噺は苦手なんだけどね。

てことで、二日連続大阪独演会の初日が終わった。落語はよかったし、本も買ったし、談四楼さんをきっかけにしてこのクラスの東西交流が一層活発化してほしい。明日もう一日と、プログラムには次の12/17. 12/18の開催告知もされていた。