2016.5.9 【梅田にぎわい亭・雀三郎一門会@大阪市立総合学習センター】

【梅田にぎわい亭・雀三郎一門会】

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今年から梅田に移ったこの会、2か月に一度の開催だけど3月は来れなかったのでここに来るのは2回目だ。
大阪駅前第2ビルの中の大阪市の施設の中で開催される。それにしても僕は来るのが楽な会だ。阪急一本で梅田まできて、今日みたいにずっと雨の日でも地下だけ通って会場までたどりつける。そして、この部屋もキャパは
100人ぐらいだろうか、とても見やすい。
梅田エリアの落語会がもっと増えてほしいなとどうしても思ってしまう。
毎回15時19時の2公演で僕は昼の部に行ったこともあり、ほとんど知り合いもいない。梅田開催なので地元住民てことはないと思う。みなさんどちらの方からこられてるんだろうか。

雀五郎 ./ 七度狐
雀喜 / 大阪環状双六ゲーム
雀太 / 粗忽長屋
雀三郎 / 三十石

雀五郎さん、まくらもそこそこにネタにはいる。最近は高津とかではよくまくらも語ってるし、先週みたいに一発でドカンと受けるような技もみせてるのに、何か数年前によく見た感じだった。一門会ではこういう感じなのかな。
ネタは「七度狐」、リズムよくすすんでいく。いかの木の芽和えをいただいて逃げるところがなkなかのスピード感。でも正直高津の雀五郎さんのほうが楽しい。

続いて雀喜さん、昨日に続いて2日連続だ。中国故事の「人間万事塞翁が馬」のことを丁寧にまくらで話す。
「なぜこんな話をするかというと、いまからする今日の噺があほみたいなネタやからです」
よくわからない理由のまくらから噺に入った。
昨日に続いて新作。縁日みたいなんを冷やかしていた二人連れが500円で売っていた「大阪環状双六ゲーム」というのを購入。代金の500円をかけてこのゲームが始まる。大阪駅を起点にして、内回りと外回りでどちらが先に一周するかを競う双六。各駅のエピソードがマニアックでくすくす笑う。下げも意外でいい。

次は雀太さん、修業時代に天満界隈で自転車に乗っていて交通事故にあった話は大爆笑だった。最近聴いたまくらの中でも秀逸。車のタイヤに乗り上げられて救急車がくるまでそのままの状態で見ている子供とかが好きなこと言ってたと。それでなんの怪我もなかったのが不思議だ。
そんな少し不思議な体験から「粗忽長屋」。何か話はつながっているようにもみえる。
僕は、この落語ネタきってのシュールな噺がとても好きなんだけど、雀太さんの前のセリフの余韻に次のセリフをかぶせるような独特の間がすごく噺にあってる。
やっぱり雀太さん面白い。このまくらとネタだったら、若手GP決勝ではたまさんの最大のライバルだな。

最後は雀三郎さん、摂津市の鳥飼出身で子供の頃は村にはりめぐらされていた水路がよく増水で反乱して大変だったと。そんな昔の淀川水域の話から「三十石」。
船中での妄想男の場面が長くてしつこくてとても楽しい。そして船唄三度、返しの唄はなし。うまいな。そら歌手やもんな。更に麦打ちの唄、機織りの唄、もう一つなにかあった。唄尽くしで余韻を残してさげ。
この噺について何度か言ったけれども、僕はロードムービーだと思っている。雀三郎さんはそんな川辺りの風景を切れ目なく流れるように描写するのがとても上手だ。
いい「三十石」だった。

この会は去年千林でやっていた時に一度、梅田に移ってから二度の計三回来ただけなんだけど、この一門の個性の際立ちとレベルの高さは相当なものだ。それを仲入りなしで2時間かけずにさらっとみせる。
ロケーションも抜群だし、これからかなり通う会になっていきそうだ。