2016.4.27 【月刊笑福亭たま・4月号@繁昌亭】

【月刊笑福亭たま・4月号】

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今月の月刊たま、大阪ではたまさん先月の月刊以来まくららしいまくらを話していない。ようやくあの話が聴けるというのが今回の期待の一つだった。開演15分前ぐらいに着くと鯉朝さんが木戸で手伝ってた。

二葉 / 子ほめ
呂竹 / 道具屋
たま / 近日息子
たま / ふたなり
仲入り
鯉朝 / あいつのいない朝
たま / 新作ショート落語~ニコニコ・クリーニング

二葉さん、いつもどおり楽しい。投げ捨てるような口跡が特長だな。

呂竹さん、きっちりくっきりと、分かり易く気持ちのいい道具屋。

ここでたまさん登場。3/31の協会総会と会長選挙の話、どうしても言いたいことがあって一人で挙手したたまさん、ここで言った一言で大爆笑。協会総会では、受けさせると発言を聴こうという雰囲気になると。どんな総会や。その後絶好調の発言が続くけれども言えない。でもいろいろ分かったことがあってよかった。
ネタは「近日息子」。この間の由瓶さん同様パワー系だけど、謝らない男と二人が実は仲がいいというのが面白い。その二人8回ぐらい言いあうけど、そこの間がこの噺のキモかな。かぶせるように段々大きく聴こえるように。

続いて二席目は「ふたなり」。たまさんで二回目、他の人でも数えるほどしか聴いてない。この「ふたなり」て言葉としては今も生きてるけど、多分江戸の昔はとらえ方が違ってたんやろかな。あまり後味のいい噺でもないし、何か独特の空気に支配される噺でもあるし、反応が難しいな。
たまさんはいつもの調子で、そう言えばたまさんの怪談噺て、あまり怖さが出ないな。
最後に死んだ親父が「ふたなり」につながるのが納得しにくいかな。

中入り後は鯉朝さん。もう何年も続けて彦八祭りに来てるという、すっかり上方でもおなじみの江戸噺家さんだ。また、東京の寄席で自分が主任の時に、上方枠を設けていただいたりもしている。関西の落語ファンが心情的には一番贔屓にしてる東の人だ。
で、鯉朝さんは高座に上がる時下がる時の佇まいがいい。これが個性的で客席から目を引く人は噺も同様の人が多い、てのが僕の経験則だ。
ネタは「あいつのいない朝」。商店街で向かい合う薬局の前にいるケロヨンとサトちゃんの物語。別れと再会、いい噺だな。鯉朝さん、ペコちゃんの噺もそうだけど、新作のしつこくない人情噺て感じがいいな。

最後たまさん、新作ショート落語、今日はなかなかレベルが高かったのでは。「新地獄八景」 「桂春団治」 「カーリング」が好きだな。
続いて新作ネタおろしは「ニコニコ・クリーニング」。クリーニング店頭での店長と新人との会話と接客の噺なんだけど、店長の言う「大阪の人間は、ドンドン、て言ったら愛想でも笑う」、をいちいち実践していくのが面白い。途中で怖い人が登場してドンドンが通用しなくなったり、ドタバタが繰り返されてクリーニング的な下げになる。
今日もかなり完成度の高い新作だと思うけど、昨日の「落語と私」に続いて、二日連続でこんな新作をネタおろしするとは本当にたいしたものだ。

終演後出口にはまた鯉朝さん、「来月も月刊たま、よろしくお願いします」てゆうてはった。で、女子たちの写真にも応えてた。自分の会じゃないのにすごいサービス精神だ。たまさんは出てこないけどね。
一度二人会やってほしいな。