2016.4.23 【帝塚山・落語菜 由瓶がたまに胸を借りる会@無学】

帝塚山・落語菜 由瓶がたまに胸を借りる会】

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今日は帝塚山というか、粉浜というか、久しぶりに無学にやって来た。2年少し前に来た時と同じ「由瓶たま二人会」だ。
この無学は、鶴瓶さんが師匠の六代目松鶴の自宅を買い取って落語会とかできるように改装した小屋で、こじんまりとしてて、それなりに観やすくて聴きやすい。前回来たときは超満員で100人ぐらい入っていたかと思ったけれど、今回は60-70人ぐらいか。これぐらいなら比較的居心地がいい。
2年前の再対決となった今日の会。結果は如何に。

染八 / 浮世床
由瓶 / 近日息子
たま / 芋俵 
仲入り
たま / 紙屑屋
由瓶 / 戦湯物語

染八さん、本名ネタのまくらから。これもよく受けるな。
噺は、文字が読めないところから入ったので、「平の陰」? 少し違うなと思っていたら「浮世床」だった。冒頭かなりカットしていたけど、染八さんかなり熱かった。なかなか進まない度にエスカレートしていく。

由瓶さん、上がってまず、たまさんを誉めたおす。「彼もゆうても40代に入ってるのに全然おっさんぽくない」みたいなこと言って受けてた。そこから父親が死んだ時の話。あっ、これ先週の豊中寄席と同じだなと思っていたらネタも同じ「近日息子」。珍しく最前列で聴いていたこともあって、とんでもないド迫力だった。噂の汗だくの由瓶さんを初めて目の前でみた。
勢いに引っ張られる感じでパワー落語の楽しさよく分かったけど、僕はこの噺は、謝らない男を問い詰めていく時のかぶせるような間が肝だと思っているので、あの部分は実は繊細さが必要なのではないだろうか。

続いてたまさん、たまさんまくらでいろんな噺家さんのこといらってるけど、多分好きな人のことしか言ってない気がする。だから大概なことばらしたりしても客席が悪い雰囲気にならないんだろう。そんな意味では由瓶さんはたまさんの格好のターゲットになる。今日の菊丸さんがらみの由瓶さんの話も爆笑だった。
そこからネタは「芋俵」。もちろんパワーで押すんだけど、たまさんのこの噺、僕は商家に行く前のセリフの練習のところのボケっぷりが好きだ。こういうポワっとした味わいもある。後半のどがちゃがとの対比だな。

仲入り後はもいちどたまさんから。まくらで京大落研の落語会交換ノートみたいなのの話。「枝雀は芸が荒れる」で爆笑。ぜひ見てみたいな。誰かが落語会に行ったら感想を書き込んで、それに他の人がコメントつけるみたいなん。多分どこの落研でもあるんだろうけど、好き放題書いてそう。
で、噺は「紙屑屋」。今調べたらなんと5回目だ。高津の富亭・高津末広・繁昌亭・御堂会館南館、やっぱり舞台広い方がやりやすいよな。前半のおてかけさんの所作がなかなかだった。間近でみてると気づきも多い。更にこの後次々繰り出す芝居振りも見事だった。5回のの中で一番見ごたえのある「紙屑屋」だった。
高座からの落ち方も決まっていた。

そして最後は由瓶さん。「戦湯物語」という新作。これで、せんとう、と読ませる。なぜなのかは噺聴いて分かった。
冒頭からサウナ好きの由瓶さんのサウナでの出来事が続く。DKNYのトレーナのおっさんとか爆笑。しかし、この出来事はなしがいつまでも続いてネタにはいらない。ひょっとしてこれがねたなのか。由瓶さんの新作にはこんな意表をついたのも割とある。
そう思っているとようやく話が変わった。
銭湯でマナーの悪い親父に注意したら、やぐざが出てきて親父と同じことをして、親父に責められてしかたなく注意したら……、という噺。堂々めぐりのループするはなしだけど、これは基本由瓶さんがいかにサウナが好きなのかを語りたい噺だと思う。面白かった。

ということで二度目のこの二人会も楽しく終わった。このお二人の落語は、タイプは違うけれども古典新作両刀使いで、かつ基本パワー系ということが共通点で、かつなかなか二人会の相方がいないのではという点も同じのように思える。
だから、この先も二人会続けて欲しいなと。だけど次回からは最前列じゃなくて、せめて2~3列目にする。