2016.4.22 【新世界南光亭・番外『百年目の会』@動楽亭】

【新世界南光亭・番外『百年目の会』】

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南光日記
佐ん吉 / 鬼の面
仲入り
南光 / 百年目

南光さんがここ動楽亭で定期的に開いているのが 「新世界南光亭」。そして今日はその番外編で「百年目を聴く会」だ。

最初に上がった南光さん、今日のプログラムを説明。「私の身辺報告の後は、佐ん吉君に中トリとしてきっちり落語をやってもらいます。」「百年目は、普通の落語会ではなかなかできないので、番外編として開くことにしました」
平日昼間にもかかわらず、約80人ぐらいか。盛況だ。
南光さん、百年目の話はそこそこに、今日の午前中の記者会見の話が始まった。別にややこしい話があったんと違いますよ、と。どっと受ける。6月25日に山本能楽堂で英太夫さんと「おはんちょう」という会をする。南光さんが「胴乱の幸助」をして、英太夫さんが「帯屋」を語る。これは注目だ。
ここから南光さんの浄瑠璃愛が全開で、明日から毎日新聞で連載が始まる。1回目は呂勢さんの見台コレクションの話だと。
ほぼ文楽関連で身辺日記は占められていたけど、「僕の記者会見にスポーツ新聞が来たの初めてです。何を期待してるねん」。は笑ったな。そんな時勢だな。
そして、帰ってきてみると今日の南光さんの文楽関連の話はほとんどネットに上がっていた。

それで下りた南光さん、すぐにまた出てきて 「忘れてたわ」と言って、座布団返して名ビラめくって下がった。

続いて佐ん吉さん、「今まで僕の前に登場した中で一番大物の前座です」
そこから、米朝宅での修業時代の話。吉朝一門の人みなさんこの話よくするので、僕らは何度もきいているんだけど、いつもよく受ける。このあたりでもいまだにいい財産になってるんだな。
南光さんがきっちりとした噺をするって強調していたので、何がかかるか楽しみだったけど 「鬼の面」。
佐ん吉さんで一度だけ聴いてる。池田の噺は二大メジャーがあるので、それと比べるとマイナーだけど、なにか独特の空気感のある噺で僕は好きだな。おたふくの面がモチーフになってるところや、唐突に盗賊が出てきて結構ドキドキするけど、後には噺に全然からまなかったりとか。あまり落語的なストーリーじゃない。
佐ん吉さんは子供~というほど小さくもないんだろうけど~の表現が上手いな。どちらかいうと陰気な噺なのでどこかで明るい部分をつくっておかないと聴きにくくなるのかな。

そして、いよいよ「百年目」。僕は去年の春の「南光南天二人会@サンケイブリーゼ」で南光さんが「百年目」のネタ出しをした時に、きっといいはずだと思って行ったらやはり予想通りの素晴らしさだった。

ちょっと話がそれるけど、僕は最近ブリーゼにはほとんど行かなくなっていて、その理由はいい席がとりにくいから。いろんな意味での手持ち販売が多い。一方西宮芸文は相当数のチケットを自ホールのサイトで販売する。
僕のチケットの買い方だと圧倒的に後者の方がいいチケットがとれる。7月の談春さんでもきっちりおさえることができた。ブリーゼもちょっとは考えてほしいな。

てことで「百年目」に戻って、もう一度聴きたいと、今日の会は直ぐに予約した。
冒頭の番頭が叱りまくる場面での視線の回し方がすごく印象的だった。顔が先に動いて視線がほんの少し遅れてついていく感じ。叱りたい気合みたいなのがよく見えていた。
全体的にはやはり会場の規模も客層も違うからなのか、今日の方が南光さんの方の力が抜けていたように思う。どちらもいいんだけど、緊張感ということではブリーゼの方が上だし、大旦那と番頭の長い人間関係の重みなんかは今日のほうがずっと分かりやすかった。「別家まで後一年だけ待ってくれ」と大旦那がいう場面もよかったな。
そして南光さん下げて頭も下げて、その後で、「百年目はもちろん米朝のイメージがとても強い噺ですけど、これから頑張って、いつかは南光の百年目と言われるようにしたいと思います」。と言って高座からおりた。

日記も佐ん吉さんもよかったけど、やっぱり百年目だった。南光さん、毎年今頃にやりたいてことやったけど、動楽亭でするってことなのかな。それなら毎年必ず聴きにきたいな。