2016.4.20 【福笑と異常な仲間たち vol.9〜まいど、おいど、横山プリン〜@繁昌亭】

【福笑と異常な仲間たち vol.9〜まいど、おいど、横山プリン〜】

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いつも、福笑さんの幅広い交友関係の中からとんでもない人物を選りすぐってゲストに迎えるこの会、タイトルが「福笑と異常な仲間たち」。今回の異常者は横山プリン。おそらく関西出身の50~60代の人しか知らないと思うけど、40年ほど前に当時のよみうりテレビの番組で、「パクパクコンテスト」という振り真似カラオケで歌うコーナーの司会をしていたことで知られる。あの川崎麻世もこのコーナー出身だ。
僕も名前聴いたのすら久々で、一体どういう会になるのか想像もつかず、とても楽しみだった。

たま / 軽業講釈
福笑 / 二人ぐせ
福笑・プリン / (トーク)
仲入り
プリン・坊枝 / (漫才)
福笑 / 島原ララバイ~裏切り同窓会

たまさん、冒頭で、「この会のゲストは毎年とんでもない人ばかりですけど、中でも今年は一番危険な人です」と
前の三列に注意を促す。
プロレスか!
「軽業講釈」は、いつもどおり最初からハイテンションで飛ばす。飛ばす。ただ、正直開口一番から「軽業~!」
の大声連呼は少しやかましく感じるかな。でも、しっかり頭が覚醒して、これからの出来事に備えることができたとも言える。

続いて福笑さん、プリンさんのことはサラッと触れてネタに入る。
「二人くせ」はお互いの応酬がまるで格闘技のような展開で、最後はようやく念願の千円獲得した方が死んでしまう。最高だ!
僕は下手通路側のいつもの席に座っていたのだけど、この噺の最後の方に、上手袖から禿げ頭が「出番まだかいな」という感じでにゅーっと覗いて引っ込んだのが見えた。きっとプリンさんだ。

そして、対談。いよいよプリンさん登場だ。おーっ、何か昔よりも危険な感じがしないぞ。紳士然として見えなくもない。77才らしい。しかし、しゃべりだすと自由自在だった。福笑さんが、知らない人のために、とりあえず過去の芸歴とかを尋ねていくんだけど、なかなか福笑さんの意図通りの展開にならない。好き勝手にしゃべるプリンさん。それでも横山ノックの弟子で、元々は漫才師。しかもあの横山やすしと「やすしたかし」の名で相方だったところまで分かった。「やすしきよし」結成前の話だ。
しかしここからはノックさん、やすしさんの話がもう尽きない。福笑さんが全然仕切れない。タレントやめてた頃の話とか、振ったら振ったでまた話がそれていく。聴いてる方は爆笑の連続だったけど、時間というものがある。
福笑さん、最後に仲入り後のプリンさんの舞台で何をするのかに話をもっていき少し強引に仲入りとなった。

そして休憩の後、何が飛び出すのかと思っていたら、坊枝さんが登場した。もちろん続いてプリンさん。二人ともタキシードだ。漫才するんだ。しかし、上がりが気に入らないのかプリンさん三回も登場し直し、出囃子にのって。
このタキシードはノックさんにもらったものらしい。なかなかかっこよかった。
そして、漫才のネタは二人でバイクに乗って通り過ぎる風景で遊ぶ、横山やすしたかしのネタを再現しようと。
ところがまた、息が合わないのじゃなくてプリンさんが蒸し返して先に進まない。
坊枝さんの泣きがはいりまくる。これもネタなのか。
で、漫才のネタはほとんど進まないまま、プリンさんが袖にいた文福さんを呼び込んでなぞかけを振る。文福さん見事に瞬殺!
続いて、高井ギャラも呼び込む。何か舞台がわけわからなくなってきた。ギャラさん、確か数年前の彦八の舞台でみた記憶が。一応プリンさんの弟子扱いなのかな。
ともかく流れはぐちゃぐちゃだけど、客席にはすさまじく受けてプリンさんの出番が終わった。

さあ、最後は福笑さん。僕はこういう色物が爆発的に受けた後の噺家さんがどんな高座にするのかにすごく興味があった。
福笑さん、熊本の地震に少し触れて、25年前の雲仙普賢岳の噴火の時に創った落語があって、もうやらないつもりだったけどやりたくなったのでダイジェストでやると。
演題は「島原ララバイ」
これがとても内容を書けないとんでもない噺だけど、福笑さんの気持ちを考えを逆説的に表現してるのだろうなと思った。だからたとえ5分でも今日やりたいということだったんだろう。
しかしこんな噺を当時創っていたとは、笑福亭福笑恐るべしだ。
そして本ネタは「裏切り同窓会」。この噺も何度聴いても飽きない。四人の主人公のキャラ設定が巧みだからなのか。やっぱりババフミが主役だ。
てことで、最後まで盛大に受けて、このとんでもない落語会はお開きとなった。
何か、たまさんの「軽業講釈」を聴いたのがはるか以前のような感覚だった。

終演後、気持ちをクールダウンさせるために地元で一人で少し飲んでる時に思い出した。
「まいど」「おいど」せーへんかったやん。