2016.4.15 【第121回 出没!ラクゴリラ@太融寺本坊】

【第121回 出没!ラクゴリラ】

イメージ 1

前回二月に20周年記念会をクリアし、リスタートとでもいうべき今日の会。でも特になんということもなくいつも通りのスタートだ。ただ、今日はトリの生喬さんが「百年目」なのでいつも以上に客席は早くからにぎやかだった。

紋四郎 / 浮世根問
南天 / 秘伝書
花丸 / たいこ腹
仲入り
文三 / 江戸荒物
生喬 / 百年目

紋四郎さんも最近開口一番でよく遭遇する。いきなり県庁所在地まくら、これがネタにどうつながるかと思っていたら、気持ちよくスパッと切って浮世根問へ。なんかいいリズムでこういうのもありだな。

南天さん、紋四郎さんが阪大出身なことを明かして、上方落語界高学歴組を紹介。ここから今日は出身大学の話が続いた。ちなみにラクゴリラメンバーは、南天・生喬が大阪芸大、花丸・文三桃山学院大学だ。
「秘伝書」は、1月のしごきの会ネタおろしの中の一席だったけど、元々よく出来たネタで笑いのパワーはかなり強い。繁昌亭昼席なんかだと、どなたがしてもかなり受けると思う。でもそれだけに、あまり工夫の余地がないようにみえていたけど、今日はいろいろと南天テイストが混じってきていて、これからが楽しみだ。噺家の年収推移について爆笑だった。当たってるのかな。

続いて花丸さん、南天さんの学歴紹介の間違いを正して、しばらく自分の出身大学の話。そこから入門当時のすぐ下の弟弟子染雀さんの話が続く。かなりいろいろ思ってたみたいで、染雀さん当時は相当融通がきかなかったんだな。
「たいこ腹」はよく聴く噺で、今日の花丸さんのは、繁八が若旦那に無茶されるんだけどそれでも幇間らしい華が、粋さが感じられるところがよかったな。花丸さんのニンによるところだろう。「定吉の迎え鍼」「太兵衛の意見鍼」をためずにサラッと言うところも特徴だな。僕は今日の四席で一番良かったと思う。

中入り後は文三さん、東京が、大阪がどうしたこうしたという話から。正直この手の話あまり好きじゃないけど、「江戸荒物」のまくらなら仕方ないか。でもこの噺文三さんにすごく合ってる。大阪弁も江戸弁も田舎言葉も全部達者で活き活きしてる。それともちろんボケっぷりもいい。ラクゴリラでいつも思うけれど、この会にかかる落語で一番完成品仕様に聴こえるのが文三さんだ。

最後はいよいよ生喬さんの「百年目」。この時点で仲入りありでちょうど8時。みなさん短めのネタを持ってきて、生喬さんに時間を残してる。生喬さん「今度南天さんが地獄八景する時は、後の三人は小噺します」。南天さんの地獄八景とは楽しみだな。
「百年目」、僕はやっぱり大旦那の貫録と、番頭のころころ変わる様が見どころかなと。で、生喬さんの色はよく出ていたと思うけど、この人の落語のいつもの変幻自在ぶりからすると大旦那も番頭ももっとよくなるのでは。たまさん以外で初めて笑福亭の「百年目」聴いたけど、結局40分と少し短めだった。近いうちにまた聴きたいな。

てことで、ラクゴリラ、去年あたりあまり出来のよくないと思える会が続いたこともあったけれど、見事な20周年記念会に続いて今日もそれぞれの個性が際立って楽しく終わった。まだまだこの会で聴きたい噺があると改めて思い直して太融寺を後にした。