2016.4.13 【神戸らくごビレッジ・その84@神戸アートビレッジセンター】

【神戸らくごビレッジ・その84】

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2日連続の地域寄席、でも今日は昨日の地元と違って神戸までやってきた。普通に平日大阪で仕事してるとまず来れない会で、フリーな立場になってから3回目の参加だ。神戸まで来るとジャズ喫茶とか美術館とかついでに行けるところがいろいろあるので、他に用がない限り2か月に一度、これからも来るつもりでいる。
そしてなんと言ってもこの会は、文之助さん、九雀さん、吉弥さんがレギュラーという、僕のように軽く米朝一門マニアなものには結構たまらない会でもあるのです。

華紋 / 道具屋
吉弥 / ふぐ鍋
文之助 / 蔵丁稚
仲入り
喬若 / 長短
九雀 / 皿屋敷

最近、開口一番での遭遇率が高い華紋さん。道具屋も何度か聴いた。この噺、前座噺とされてるけど笑わせどころがヤマのようにあって、そのどこかではずすと、後ももうリズムに乗れなくなると思う。受け続けなければいけない噺、決して容易くない。華紋さんは力みがなくひとつひとうクリアしていく感じだ。

吉弥さん、最近ちょっと丸くなってるので泳いでると。太りやすい体質なのか。そこから「ふぐ鍋」、もちろん鉄板だし何度も聴いてるしいいんだけど、何か冬の食べ物の話は体系が丸い方が実感が出る気がした。やせてると幸せ感が出ないもの。ただ正直僕は春に聴きたい噺じゃない。

中トリは文之助さん、歌舞伎の掛け声、住んでるところで声を掛ける話。芝居噺のまくらの定番だな。
そこから「蔵丁稚」。忠臣蔵四段目だ。文之助さんでは初めてだ。大体芝居噺自体が少ない。だけど、切腹の場面が真に迫る。そしてパロディ的な部分になり、丁稚でぼけて大いに受ける。まさに緩急だ。それがリズムになる。
文之助さんは芝居噺でもリズムでのせられる。あまり他では聴けない芝居噺でとても良かった。

中入り後はゲスト枠の喬若さん、でもこの会のこの出番は余りゲストてのを意識しない方がいいようだ。
僕の斜め前にいた喬若さんの知人らしき人から掛け声が。タイミングが悪いとマイナスにしかならない。
ネタは「長短」。でもこの話難しいなと、今日改めて思った。極端に演じればいいというものでもない。長と短が全然違うリズムでスムースに転調するようでないと、聴いていて少しイラッとしてくる。

最後は九雀さん、今日はお弟子さんの九ノ一さんもいらしてた。今日一だな。普通はお菊をどこまでクサくするかが分かれ道かと思うけど、九雀さんにはあまりクサいのは似合わない。終始楽し気にトントンと進む。僕は、もう帰るという者を、幽霊はどこに出るか分からんとおどす場面のちょっと唐突な入りが好きだな。下げ前の皿を数えるところで盛り上がって、最後のお菊の言い訳というか下げというか、これもよかった。

この会もさかいさんが世話役になっているけれども、やっぱりそんな会はある程度は決まった色のようなものが出ていて、それは全然悪くない。長年やってる地域寄席にしてはあくが強くない。その方が聴き手としては落語に集中できるから助かる。