2016.3.5 【千朝落語を聴く会@太融寺本坊】

【千朝落語を聴く会】

イメージ 1

楽しみな会だけど、2か月がかなり早く感じる。太融寺本坊というかなり広いスペースに椅子を160脚ぐらい並べている。いつもはだいたい足らなくなるんだけど、今日はそこそこ。3月5日にしてはあまりの天気の良さ、最高気温20度とかになれば、落語会やめる人も出てくるだろう。でも僕は今朝改めて見て今日もいい番組だなと感心していた。

慶治朗 / みかん屋
千朝 / 天神山

慶治朗さんは米團治さんの三番弟子。とぼけっぷりがいい。それでいて口跡もはっきりしていて聴きやすい。かなり有望な若手だと思う。だけど米團治一門はなかなか弟子のレベルが高いな。

千朝さん、一席目は「天神山」。最近の傾向通り一席目はよお遊んではった。「アジャパー」とか。でも、いよいよ春噺の季節だ。しかも天気がこんなにご陽気な日に。狐の場面の二人の掛け合いが楽しい。ある春の日の出来事でさげ。僕はこんこん連発よりもこっちの方が余韻があって好きだな。だけど、どっちにしてもこの噺は夫婦になってからが急展開すぎるように思うけど。

続いてゲストは三喬さん。米朝一門の会に出ると緊張する。まして千朝兄さんならなおさらだ。まあ、同じ米朝一門でも、この近所の教会の落語会なら全然そんなことないけどと。うーん、あの人の会だな。
そこから、今日は近江八景ネタ出しだけど、結構緊張するネタだと。で、膳所のことをいろいろと解説。膳所を知らないとさげが分からないから。大道易者に女のことをいろいろと聴き合わせる噺なんだけど。最後の近江八景を読み込んだ歌とそれの裏読みの場面が結構手ごわそうだ。僕はこの噺三喬さんでしか聴いたことないけど、この場面がすごくいいと思う。立て弁好きだから。で最後は膳所で下げる。

千朝さんトリネタは「はてなの茶碗」。千朝さんであまり聴いた印象がなかったけど、帰ってからみたら二度目だった。この噺、丁稚からお天子さんまで、いろんな階層の人が登場するけど、それぞれの会話が自然に耳に入ってくるのがよかった。それと、微妙な「京vs大坂」、これも少しだけひっかかるぐらいの手触り。僕は「京vs大坂」てのは上方落語の隠しテーマのひとつだと思っているのだけど、その話はまた今度。
いい人しか出てこないよく出来た名作を、気持ちよく聴かせるのはそんなに簡単なことじゃないと思う。遊びは抑え目で正統派の千朝さんだ。

今日もこの会はいつも通り楽しかった。しかし千朝さんて噛まないな。ネタはかなり多いと思うけど、そうとう稽古してるんだろな。それで、明後日は繁昌亭で九雀さんとの「千夜九夜物語」。千朝さんは、なんと地獄八景。楽しみだな。