2016.2.24 【出没!ラクゴリラ・二十周年記念落語会@大丸心斎橋劇場】

 【出没!ラクゴリラ・二十周年記念落語会】

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1991年入門、今年26年目の同期4人がかつて始めたこの会。2か月に一度休むことなく続いて、今回ちょうど120回丸20年となった。今日はその記念落語会をいつもの太融寺でなく心斎橋劇場で開催。270人のキャパが完売満員だった。写真は記念品として配られた卓上カレンダー。3月から始まってるのがいい。全席自由席だったためおそらく3時半ごろから並び始めた列が100人ぐらいまで伸びたので予定を早めて5時20分に開場した。

松五 / 松竹梅
南天 / 代書
花丸 / 蔵丁稚
仲入り
口上 / 花丸・南天文三・生喬
生喬 / 禁酒関所
文三 / 高津の富

開口一番は松五さん、記念の会にトップで出させてもらえることがとても光栄だと。
ネタは「松竹梅」、江戸の前座噺で上方ではやり手は非常に少ない。僕は松五さんでしか聴いたことない。でもおめでたい噺で軽いし使い勝手よさそうだし、もっとみなさんすればいいのにと思う。

ラクゴリラチームでトップは南天さん、「代書」は3年近く前のネタおろしから度々聴いている。最初は正直あまり南天さんに合ってないと思っていたけど、数回聴くうちにすっかり手の内に入れた感じで爆笑噺になっていった。今ではもう南天落語の定番の一つだ。聴くたびに進化している感じだけど、今日は前半から少し脱線しすぎかなと。行っては戻ってを繰り返すうちに何か本編の印象が薄れてきていたような。
この噺はやっぱり枝雀さんで、あの人の「代書」を超えるのは並大抵でないだろうけど、みなさんよくかけている。で、みなさん面白い。それだけ上方落語にとって大切なネタということだろう。

続いて花丸さん、内弟子時代の朝食の思い出。染丸さん宅では弟子が朝ごはんを全部つくってたそうで、なかなか大変だなと。そら納豆は自分でかきまぜたいと思う。
噺は「蔵丁稚」。忠臣蔵四段目-塩谷判官切腹の場。芝居噺が達者な人は上方にも随分いると思うけど、花丸さんの芝居噺は華麗だ。塩谷判官と力弥の例のセリフの応酬、聴いているこっちも力が入ってくる。それでいて定吉がとても可愛い。いい「蔵丁稚」だった。

仲入り後は口上から。

左から、花丸・南天文三・生喬と並ぶ。
花丸さんが、ずっとこの会の受付をされてる生喬夫人に感謝。ここで客席からも大きな拍手。みんなよく知ってる。後は師匠の話、四天王の話、みなさんよくここまでやってこれた、て言う中で、南天さんだけ「20年やったらもっとやれてなあかんかった」て言ってたのが印象的だった。

次は生喬さん、今日かける「禁酒関所」は28年前の落研時代に初めて松喬さんで聴き、この人に入門しようと決めた思い出の噺だそうだ。
当然酔っぱらい噺なんだけど、侍がだんだん壊れていく様が、くっきり分かって面白い。かつ禁酒の中で飲めることの楽うれしさも伝わってくる。飲めない南天さんの酔っ払いとどう違うかと思ってみてたけど、どちらもうまいとしか思えなかった。

最後は文三さん、生喬さんがこの会のプロデューサー的な存在で彼抜きでは続けられなかったと。
「高津の富」では20周年のトリらしくはじけまくる。客と主人が当りを分かった場面。そして最後の客の部屋でのふとんの場面。「四人癖」じゃないけど、手足が勝手に動いているように見える時のこの人が一番楽しい。盛り上がりまくって四席終わった。

最後に再び高座に四人並び「大阪締め」。当然練習なしでピタッとあった。

後20年やるとこを次の目標にすると。僕は多分そこまで聴けないかなとおもうと複雑だけど、5年先10年先の4人をきっちり見ていきたい。そして四人には、次の上方落語四天王になっていただきたい。そのためにはまず弟子をとることだわ。