2016.2.23 【月刊笑福亭たま・2月号@繁昌亭】

【月刊笑福亭たま・2月号】

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昨日、テレビのQさまに出演しなかなかの活躍だったたまさん、タイミングよく翌日がこの会だった。テレビ出演のことだけじゃなくて、今世間をにぎわしてることについてたまさん何を言うのかなという注目が集まってのスタートだった。また、今日は新潟の修学旅行の中学生が2Fに団体で入場。芸術鑑賞ということらしいけど、たまさんどういうように持っていくのかそれも更に注目だった。

紋四郎 / 浮世根問
鯛蔵 / 二人癖
たま / 芋俵
たま / 三十石
仲入り
鶴笑 / 時☆ゴジラ
たま / 新作ショート落語~クイズ

紋四郎さん、最近開口一番でよく曹禺する。いい声してる。落語を聴いていて気持ちよくなる声だけど、実は落語だけじゃないのが後でわかることになる。すごく楽しみな若手の人だ。

鯛蔵さん、この人が出囃子に乗ってスキップするように飛び込んできて高座につくのを見てるのがが楽しいんだけど、今日は少し元気がなかったような気がした。
だけどネタにはいると「二人癖」を軽快に。このひとの落語は爽やかさとリズム感だ。

たまさん、冒頭で2Fの中学生をさらっといらって、文枝さんの話にはいる。なるほどそうだったのかと思っていると、書けないシリーズの話題が続いて、ここで中学生にネットに書いてはいけないと。寄席は大人の遊び場でそこには大人のルールがあると諭す。僕もその時2Fにいて中学生の反応を確かめたかった。話は続いてまた文枝さんが登場したりして、最後はこの二つの話をまとめてきちんと下げていた。見事だな。もうなんか新作一本聴いた気分だ。ちなみに3月に上方落語協会の会長選挙があるらしい。

で、一席目のネタは「芋俵」。ネタ出しだったので、決してたまさんが中学生にこれをぶつけたわけじゃない。たまさんのは、芋がしゃべったり歩いたりするところの入れ込み方が上手いなと思う。だけど後半のドタバタは中学生いてもいつも通り。たまさん、中学生に気は遣っても遠慮はしないようだ。

続いて「三十石」もネタ出し。たまさん、お女中の妄想シーンでは明らかにいつもの妄想よりディープに。引率の先生の気持ちはどうだったのか。続いて舟唄のシーンではいつもほど迫力がないなと思っていたら歌詞を間違えた。たまさんここではいつも楽屋にいる人を名指しで返しの舟唄歌わせる。鯛蔵さんに続いて指名された紋四郎さんに「オクターブ上げて」の指示。これは見事だった。落語よりも更にいい声だ。これで今日の客席には紋四郎さんがきっちり刷り込まれたに違いない。
僕は三十石はできるだけ長く聴きたい方なんだけど、たまさんのはこれでいいかなと。密度が濃いから。で、最後に八軒家に船が着く場面ではもう一度舟唄を入れて、朝もやの中から船が見えてくると、視点を変えて情景を描いた。ここもなかなかよかった。

仲入り時にロビーにいると、先生とバスの添乗員さんが売店でチケット売ってた人に終了時間の確認。で聞き合わせて無事最後まで聴けることになった。よかった。

中入り後は鶴笑さんのパペットだ。今回中学生たちは旅行の日程で繁昌亭がたまたま今日になっただけだと思うけど、たまさんだけでなく鶴笑さんまで出てるというのはなんというタイミングの良さだろうか。
鶴笑さん、たまさんが中学生いても自分のペース崩さないのをいらって、実は昨日福笑宅で新年会で当然弟子のたまさんも一緒で、例によって朝まで騒いでたと。それでたまさん少しお疲れなのか。
ネタは「時☆ゴジラ」。この噺、店でうどん食ってる男の前のテレビでなぜか「モスラvsゴジラ」が始まって男が熱中するというものだ。両手両足身体全体をつかって、パペットでモスラゴジラの対決を表現する場面からそれこそ1秒ぐらいでうどん食う場面に変わる。この時のギャップと素の表情がとてもおかしい。
この人のパペットは何度見ても構成の見事さに圧倒される。

最後たまさん、新作ショート落語は少し不作か。ヤク系が多かったような。「流しソーメン」が面白かった。
リニューアル新作は「クイズ」。ここで昨日のQさまの話。いろいろクイズ番組の裏話。腑に落ちることもあった。たまさん、今回は関係者全員に手ぬぐいを配ったそうで、それがやはりあのオンエアにつながったのか。
ネタは、以前から協会のクイズ研究会の一員としてまくらで話してた事をクイズ好きの男女の噺に構成した感じだ。面白かったしまだまだ手を入れられそうだ。それに、テレビでクイズに出たとかもろもろクイズ関連と全然関係ない状況で掛ければもっと面白いのでは。

今日も楽しかったけど、中学生の団体とかがいると、ちゃんと楽しんでるのかなって、僕らも気になる。しかし大阪のおばちゃん、おっちゃんは愛想がいいと言うか、人懐っこいというか、仲入り時や終演後に「面白かった」とか盛んに話しかける。これは関西人の特質やからもうしようがない。
そんなこんなで、月刊たま2月号は中学生たちが来てくれたこともあっていつも以上に楽しく終了した。