2016.2.10 【東西浪曲男子@百年長屋】

「東西浪曲男子@百年長屋」


今週、東京の玉川太福さんがずっと大阪で公演している。僕は初めてだけど新作派の浪曲師。そして大阪の真山隼人さんとの二人会。なんと20才の大学生だけど芸歴は7年目だ。
今日はいろいろと気になる落語会があるのだけど、こちらに来た理由は、太福さんが「任侠流山動物園」を大阪にいる間どこかでやりたい、と言ってて、スケジュールみると今日が一番可能性高いのではと思ったから。
そして、的中した。
この噺白鳥さん作で、僕は喬太郎さんで聴いてる。主人公のブタが高速道路を疾走する時のドライブ感がとんでもなくて、とても印象的だった。
それが浪曲なら一体どうなるのか興味は尽きない。

隼人 / 大石東下り     (曲師) 沢村さくら
太福 / 任侠流山動物園 (曲師) 沢村さくら
仲入り
トーク  / 太福、隼人、さくら

僕は浪曲は極めて初心者だ。で、語りだけでなく三味線にもかなりしびれている。あとのりのリズムが心地よい。ジャズで言うアフタービートやね。しかし、この隼人さん今日が初めての三味線浪曲らしい。どういうことだろうと思っていて、普段この一門は三味線でなく音でオーケストラの録音で語っていると。そういえば数か月前に一心寺に行った時隼人さんが出ていて三味線じゃなかったのを思い出した。
浪曲三味線て全編アドリブみたいなものなので、僕は断然三味線のほうがいい。
それで、一心寺の時も思ったけど、若さの瑞々しさと浪曲本来の声の力が合わさってとても気持ちがいい。
「大石東下り」二人の立花左近が相対する場面の緊張感、そこに切り込むさくらさん。浪曲の醍醐味だ。

続いて太福さん、ネタ出てなかったけど、僕は新作浪曲をやります。それで、落語家の三遊亭白鳥さんが、と言った時小さくガッツポーズだった。今日が確率高いとよく読んだ「任侠流山動物園」。千葉の流山にある客の少ない動物園はエサ代もなく、スターの象が病気でも治療もできない。元気なのは、ブタとチャボと牛だけ。園長に言っても頼りないので、ブタが自分で上野動物園のパンダに助けを求めに行く。高速道路を通って。
その後いろいろあって、最後はひょんなことから大人気動物園になるという噺。これを白鳥さんは次郎長伝をモチーフにして創っている。
ストーリーは太福さん度々言ってたように落語版をそんなに触っていない。こういう噺になるとやっぱり落語の方が制約が少ない分自由で楽しいかなと思う。でも落語にはないのが三味線との掛け合い。ブタやチャボにつっこむ曲師の人という図もなかなか楽しい。

そして、休憩のあとは三人でトーク。最初から隼人さんの三味線浪曲についての話が続く。これからは音をつかうのと三味線と二本立てでやっていきたいと。なぜ音でオーケストラでするようになったのかの説明があって、当時やむを得ない事情があったのが分かった。
大福さんは普段から落語家の人達とよく一緒にやってると。今回の「任侠流山動物園」はこの間ネタおろしで今日が2回目だけど。落語家の人からやってみたらとすすめられたらしい。
あと、さくらさんの話をもう少し聴きたかったな。師匠である豊子さんのことや奈々福さんのこと。

全体的にはとても楽しい会で、東京からのお客さんも結構来ていた。先日の旅成金もそうだったけど、他のエリアでツアーをすると客もついてくる。そして東西交流はもちろんのこと、もう一つは今日の浪曲と落語みたいな異業種交流。演者だけでなくファンも交流する。今日落語ファンの人も4~5人いたと思うけど、感想を聴きたいな。
とにかく浪曲はこれからも通って行きたい。