2016..2.1 【神戸らくごビレッジ・その83@神戸アートビレッジセンター】

【神戸らくごビレッジ・その83】

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前回のブログは長すぎた。もう少し短くを心がけよう。

前々回の10月から、環境が変わって来れるようになったこの会、前回の12月は参加できなかったけど、今回2度目の参加。神戸はジャズ喫茶とか美術館とか本屋とか、ついでに行くいい場所がいろいろあるので、これからも極力この会にに足を運ぶつもりだ。
そして、文之助・九雀・吉弥の三人がレギュラーメンバーで、もう三人で十分というか、今日のゲスト枠を全然確認していなかった。で、朝何気なくみたら奈々福さんじゃないか。これは朝からむちゃくちゃ得した気分だ。ただでさえ強力なこの会の顔ぶれが、ほんと最強になったようにみえた。

小留 / 色事根問
九雀 / 兵庫船
吉弥 / 仔猫
仲入り
奈々福 / 浪花節更紗 (曲師) 沢村豊子
文之助 / 餅屋問答

小留さん、ちろると読む。小枝さんのお弟子さんでチョコレートつながりの名前らしい。それは聴くまで気が付かなかった。ネタは「色事根問」。商売根問と合わせて上方若手の定番ネタで結構達者な人多い。しかしこの人あくが強いな。早くも師匠の色に染まっているのか。でも印象薄いよりは、どんな方向でも記憶に残る若手のほうがいいと思う。

続いて九雀さん、先週の岡町の会で天使さんが掛けた「兵庫船」。喜六のあほっぷりが最高に楽しい。そして、九雀さんの落語は、芝居噺とかもそうなんだけど、所作の大きな噺がすごく映える。もちろんそれは身長がある。手足が長いてこともあるのだろうけど、やっぱり普段からの芝居の素養というか、演技の決め方みたいなものもつながっているのかな。とにかく今日の「兵庫船」とてもきもちよく聴くことができた。

中トリは吉弥さん、「仔猫」は12月の島之内教会で吉弥さんでは初めて聴いた。その時も思ったけど、おなべが前半で可愛くみえてくる。感情移入してしまう。冒頭でぶさいくとか、おもろい顔とか散々言ってるにも関わらずに。このあたりが吉弥さんうまくて、客席をコントロールしている感じだ。で、この感情移入が後半に活きてくる。
現実的にはとても凄惨な噺だけど、そうは聴こえず結構笑いも起きる。最後の番頭のセリフには余韻も感じられる。この後おなべはどうなったのだろうか。

仲入り後、まず豊子さん一人で登場、ここで大きな拍手。で三味線で奈々福さん呼び込む。今日はスペースの関係で浪曲用の演台でなく、高座に見台膝隠しで代用。声のかかり具合では結構浪曲ファンもいそうだ。冒頭浪曲の歴史を語る。実は落語のほうが古くて浪曲は明治期からと。そして、曲師との関係説明。で、今日は「豊子と奈々福の浪花節更紗」をやります。ノンフィクション浪曲です。おお、これが聴きたかったんだ。
二人の出会いなれそめから、住み込まれ修行の話、爆笑の連続だ。自分の事さんざん言われてるのに、知らぬ顔で三味線で突っ込む豊子さん。そのうち、奈々福さんが豊子さんに話しかけ確認して「でも言ってることは全部本当ですよね」。漫才か!とんでもなく楽しかった。

トリは文之助さん、予想通りやりにくそうだ。八聖亭での九雀奈々福二人会の時、トリの九雀さんがぼやいてたのと一緒だ。客席から「負けるな」の声がかかる。おっちゃんその掛け声はあかんで!
文之助さん「今日初めて浪曲聴いた人もいると思いますけど、今日のは特殊ですから。」いろいろ言いながら客席の空気を変えていって、ネタは「餅屋問答」。最近は文之助さんであまり聴いてないけど、鉄板に近いか。この噺、登場人物四人だけど、一対一の会話がいろんなパターンで続く。で、それが後半になるほど盛り上がっていって。問答になり。最後その解説で下げになる。やっぱりリズムが大切な噺で文之助さんの得意ゾーンだろう。楽しかった。

八聖亭といい、今日といい、奈々福さんのモタレは強烈なんだけど、それをする人させる人。落語会の並びに奈々福さん入ると、色変わりとかいう生易しいものじゃないけど、それを受け止めるトリの演者のすごさを感じた。奈々福さん、また次聴きたいと思ったけど、今日の三人の落語もそれぞれ個性が際立っていて素晴らしかった。